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東の森、スライムのアッキー

さて。朝から気合いの度合いが違うぜ。

おはようございます。今日は東の森デビューです。

昨日買ったローブに靴を履いて準備万端。

父にも兄にも散々ギルマスから離れないよう言い聞かせられたんですが意外にも母が落ち着いていてむしろ父や兄に喝を入れていた。ギルマスの分もあると言う多めのお弁当を渡されて「勉強して来なさい」って言ってくれた。感謝しかないよね。


冒険者ギルドに一旦集まっていくのでそのままギルドへ。中に入って受付に目をやると、、、えぇえと…


「おう。来たか。」


えーそれはずるくないですか?凄いカッコいい軍服みたいな格好のギルマス。海外の映画スターみたいなのは顔だけで良いよ!

制服の色は基本黒で所々白い縁取り、2列ボタンで…腰には剣が…え!いつものラフな感じは???


「…その格好は??」


「あ?ギルドマスターの制服だよ。一応規則だからな。正式な場面なんかでは着なきゃいけないんだよ。一応お前さんはまだ未成年どころか12歳以下だからな。保護管理下にある奴を『連れ出す時』にゃ着なきゃならんのよ。」


心底めんどくさそうに言われても、、、


「…今日はよろしくお願いします。あと、装備品ありがとうございました。」


「おう。そりゃ気にすんな。詫びの品だからな。お前さんもいい杖見つけたんだって?…あとな、結構厄介な依頼が5件もあるから半年はかかると思ってたんだがそろそろリースが帰ってくるかもしれん。戻って来てもしばらくカールに監視についてもらうから安心しろ」


「前から思ってたんですけど、リースさんの訓練?修行?はそんなに厳しいんですか?」


「自重させないと丸一日魔法ぶっ放す事になるぞ?」


「ぜひカールさんに抜かりがない様監視をお願いします」


「…任された」


「あ、おはようございますカールさん」


「大丈夫だとは思うが気をつけて行ってこい」


「はい」


「じゃいくぞ」


ギルドから東の砦出口近くまで馬車で移動して出口から徒歩で東の森へ向かう。出口の辺りでギョッとした顔の冒険者達や門番の人達をみてちょっと機嫌が悪くなるギルマスと『分かるぞその気持ち』と思いながら横にいる俺。


個人カードを見せてから外に出る。門番の人に2度見どころか3度見くらいされたけどね。横にいるギルマスの確認ならしただろ?の『圧』のおかげで問題なく通れたけど。


出口から森までは距離があるものの肉眼で確認できるほどで、行路的には森を迂回する道があるので馬車なんかはそっちに行く。真っ直ぐ森に向かうのは冒険者くらいのもの。訓練も兼ねて駆け足である。


「森に入ってすぐはスライムしかいない。動きも遅いし一般人でもちょっと丈夫な棒があれば負けることはないが素手で触れたら厄介だ。そこだけ気をつけろ」


「確か酸を含んでるんでしたっけ」


「そうだ。基本雑食でなんでも食べるからな。硬いものを微量の酸で溶かして食べると言われている。その代わり動きもそこまで早くなくて特殊個体と違って酸を飛ばしてくることもない。討伐した後は核を集めて持ち帰るとほんの少しだが金になる。」


「特殊個体ってそんなに居るんですか?」


「いや、数年に1匹ほど目撃報告があるかどうかだ。基本見つけたら討伐される。射程距離は短いから、お前さんの場合距離をとって攻撃しな」


「特殊個体がいたら従魔にしたいなと思ってるんですが大丈夫ですか?」


「構わないが特殊個体って言ってもスライムだぞ?」


「まぁ、会えれば、ですけどね」


「ふむ、まぁ、お前さんの好きにすればいい」


森に入ると風景が徐々に変わる。もちろん整備なんてされてないし獣道も近くにない。が目的はスライムやゴブリンなどの魔獣の討伐である。とりあえず今日は初めてなのでギルマスが先導して前にいる。


「お。さっそくだな、アレがスライムだ」


目線の先を追うと図鑑で見たまんまのスライムだ半透明の水色で真ん中に青い球体がある。よく漫画やアニメで見たまんまだな。2体ぐにゅぐにゆと蠢いている。どうやら花を食べているところの様だ。杖を出して構える。


そうだな、せっかくだ。2体同時にやってみよう。


『ウインドウカッター』


左右にいた2匹のうち右の核が真っ二つ、左が半分亀裂状態になり核を残して溶けて行った。


「あ、核以外は本当に溶けるんですね」


「、、、相変わらずな威力だな。だがやはりスライムくらいじゃ持て余すか」


そういってズンズン進むギルマスを追いかける。

東の砦から出て来てからずっと【地図】のマッピングスキルを使用しているので大体の方向感覚はズレることはない。まだスキルが上がっていない事もあるから『こっちが北』くらいの認識だが狂うことのない方位磁石と思えば有能である。

道すがらのスライムをサクサクと溶かしていく。


「お、居たな、あれがワームだ」


「うわぁ…」


緑色のでかい虫がぐにゅぐにゆと波打って歩いてるのは本当に解せない。『ウインドウカッター』で輪切り決定だ。


しばらくずんずんと歩いているとスッとギルマスが片手を上げて右斜め前を指差す。


するとくすんだ緑色のゴブリンがいた。何か探しているのかキョロキョロと視線を彷徨わせながら歩いている。


杖を取り出して構える

ギルマスが胸をトントンと叩いて合図を出す。


『ストーンショット』


《ギャッ!》


ズドンとゴブリンの胸に拳一つ分くらいの穴が開く。

初めての事でドキドキした。さっきのスライムやワームとは違って二足歩行で腕や顔もある。そりゃあ現代で生きてる時には蚊や虫なんかを殺虫剤で殺してるのとは話が別だからな。


「なるほど。土魔法制御が効いているみたいだな。今度はわざとこちらに気づかせた上でやるぞ、、、大丈夫か?」


「ええ、はい、大丈夫です」


またズンズン進んでいく後ろをついていく。、、、???なんか違和感が、、、


ギルマスの足が止まり今度は左手にゴブリンがいる。棍棒の様なものをギャアギャア言いながら振り回している様だ。

あれは何をしているのだろいか…

ギルマスが目で合図をする。


ゴブリンの前にあえて出る。すると《ギィ!》と怒りを露わにしたゴブリンが棍棒を振り回しながら突っ込んでくる。


『ストーンショット』


《ギィ、、、》


しまった、棍棒を振り回してたまたま胸の前に来た腕に当たってしまったがそれごと貫通したみたいでその場に崩れ落ちた。


「お前さんの場合威力が高いから胸まで貫いたがこれがゴブリン以外のBやAランクの魔物なら思いもよらない事態になる事も考えられる。威力頼りになるのは良くないから、よく見て攻撃する事も頭に入れろ」


「はい」


「、、、まぁ、はじめてにしちゃあ詰め込んでやってるのは事実だからな気分を落ち着かせるためにちょっと休むか?」


「いいえ、大丈夫です、ありがとうございます。」


「…よし、なら次に行くぞ」


「それより、気になってることが…」


「どうした」


「さっきからゴブリンが何かを探していたり棍棒を振り回していたりしてるんですが、これが普通ですか?」


「…確かに言われてみれば挙動がおかしいな。」


「…それからずっと妙な感覚があるのですが…」


「何?」


スッとギルマスが剣に手を当てて周囲を見渡す


するとバスケットボール大の球が背中にぽよんと当たる


「、、、ん??」


「どうした?」


《ミィ!》


「す、スライム?」


そこにはオレンジ色のスライムが居た。大きさは普通のスライムより一回りくらい大きい。そして何より


《ミィ!ミィ!》


「スライムって、、、鳴くんですか?」


「…いや。初見だな」


《ミィ!ミィ!》めちゃくちゃ必死に叫んでる様にも見えるんだが?と思ってると


《ギィィ!ギィ!》と奥からゴブリンが怒りの表情でまた棍棒を振り回しながら辺りをキョロキョロしている



「もしかして、追われてるのか?」


《ミィ!》


「ちょっと待ってな、ギルマス、行って来ます」


「あ、あぁ…」


「おい」


《ギィ?ギィ!》


「ギィギィうるさい『ストーンショット』」


《ギィ…》


《ミィ!》


「ギルマス、この子、特殊個体ってやつですか?」


「こんな色のスライムは見た事ないし、スライムが自己主張してくるなんて聞いたことないが、、、特殊個体と見ていいだろう」


《ミィ!》


いや、犬みたいに足元によってくるんだが…素手で触ると危ないんだよな?


「鑑定してみます」


鑑定【スパークスライム】

100万匹に1匹誕生する特殊スライム。

火の中から生まれたスライム。

特定の火魔法を使える特殊個体。

短時間自らを発火させて灯りを維持する事も可能。

体力E−・魔力E・力E・精神・E+・敏捷D

特定火魔法属性E(C)

スキル【火花】E【体当たり】E 特殊スキル【拡大収縮】

進化するとファイヤースライムになる。

弱点水属性魔法、氷属性魔法

従魔にすると基本接触可能。

主人が命令した特定人物のみ触ると発火可能。

基本産まれた環境が過酷だとすぐに他の魔物に淘汰される。


「火属性魔法が使えるスライムの様です。」


「明らかに特殊個体だな。魔法が使えるスライムはあんまり聞いた事ねぇぞ…いや、リースの奴が昔どうとか言ってた気がするな…」


「従魔にすると触れる様なのでやってみます」


「…分かった。その間周囲を見といてやる」


「ありがとうございます」


「ねぇ、君、俺について来たい?」


《ミィ!ミィ!》


ポンポン跳ねてるならいいだろう。

予習して来た従魔従を初日に使うとは思ってなかったな。

しばらく考えてから従魔にするには手を翳して目の前のスライムに意識を向ける。自分とスライムの下の地面に魔法陣の様なものが浮かび上がってくる。


『従魔としてここに汝の名を授ける。()()は《灯火(ともしび)()()()は《灯り(あかり)》文字通り俺と進む道をその火で照らせ。従魔契約』


魔法陣からぶあっと風が舞う。契約は成立したようだ。


「よろしくな、アッキー」


ポヨンポヨンとずいぶん小さくなったスライムが屈んだ俺の左肩にポンと乗ってきた。


「うまく行った様だな」


「はい。マスター、ありがとうございました」


「あーとりあえずはここで戻るか。初戦にしちゃ上出来だろう。ちょっとそのスライムの事も確認せにゃならん」


「分かりました。戻りましょう」


森の入り口を出ると意外と時間が経ってた様でもう昼過ぎくらいだった。森の中だと時間の感覚がズレてたみたいだ。


「マスター、ギルドに戻ったらマスターの分もと母がお昼を持たせてくれたので良ければご一緒しませんか」


「お、じゃあ書類まとめながら飯にするか。」


《ミィ!》


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