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引きこもり魔王候補、戦場に引きずり出されました  作者: 結生
第一章 その花々は可憐に咲く

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アフターハートⅡ

「えー! なにそれ! リリねぇ、恋しちゃったの! マジ!?」


「まさか、うちのお嬢に春がやって来るとはな」


「マジで、ドンピシャな子。全部がタイプなんだけどさ、まだ80点くらい」


「えぇ~、じゃあ、低くな~い」


「違うんだって。これから上がるの。今日戦っただけで伸びヤバかったから、次会った時は多分発狂しちゃうかも」


「それで相手側に恋人とかいたら、激熱なんだがねぇ」


「えー、どうだろう? いるのかな? でも、滅茶苦茶魅力的だし、他の女が欲しがってもおかしくはないわね」


「で、その少年ってなんて名前だっけ?」


「唯野憐太郎様!」


「唯野……? 憐太郎……?」


「どうしたの? いや、聞いたことのある名前だと思ってな。……あ、そうだ! 今日、池袋であった奴がそんな名前言ってたわ。カプ厨殺しのクラスメイトがいるって」


「じゃあ、その人に聞けば、憐太郎様のプライベートが分かるの!? 今すぐ連絡をとりなさい! というか、連絡先持ってるの?」


「SNS交換してきたからいける」


「よし、すぐに送りましょ。まずは彼女がいるかどうか……」



 そのガールズトークをしばらく見ていたアイズは。



「「ちょっといい加減にしてもらっていいですか!」」



 キレた。



「って、あれ? システィじゃん」



 そして、被った。

 アイズの真後ろに立っていたシスティと声が被ってしまったのだ。

 だが、そんなのを気にしなかったシスティが先に部屋に入り、彼女たちを問い詰めだした。



「まず、クリームヒルト! あなたは作戦無視して何をやっていたんですか!?」


「池袋でバトってた」


「意味が分かりません。あなたのターゲットはプリムラだったはず。どうしてどこの誰かも分からない相手と戦っていたんですか!? しかも、相打ちだったそうじゃないですか!」


「ちょっと譲れないものがあったんだ。仕方ないだろう」


「だからって、ハートの最高戦力がそう簡単に負けては私たちの品格に関わります!」


「だって、強かったんだ。仕方ねぇ」


「一応言っておきますけど、あなた。あのままでしたら確実に勇者軍に捕まっていましたよ? うちのリザーバーが先に到着したからよかったですが。かなりやばい状況で会ったことは分かっているのですか?」


「後悔はしていない。でも、反省もしていない」


「せめて反省はしてください!」


「ぷぷー、ヒルトンパイセンざっこー。負けちゃったのー? 相手、ただの一般人だよね? よっわー!」


「いや、彼女は強かった。それだけだ」


「え? なに? 認めちゃった感じ? ヒルトンパイセンが? ま?」


「連絡先も交換した」


「友達じゃん!」


「はぁ~……」



 システィはクリームヒルトの報告を聞いて、大きくため息をついた。



「それで、クリームヒルトを煽ってるところ悪いですが、エリザベートは何をしていたのですか?」


「っ!」



 トーンの下がった冷たい声で名前を呼ばれたエリザベートは肩を小さく揺らす。



「なにって、言うか……その~……」


「神代梗夜に負けたと聞きましたが。あなたが負けるような相手とは思えませんが」


「あ……うぅ……い、いや……それだけは……やめて……」


「エリザベート?」



 何かを思い出したかのようにエリザベートは頭を抱えながら、うずくまり震え出した。



「何かに怯えているようですが、知っている人はいますか?」


「ん~、なんかー、エリーが負けた後、辱められたらしいよ?」


「そうですか。……は、辱め!?」


「ああ、なんでも動けなくなったところに、クラブジャムンを無理やり口に突っ込まれたらしい」


「そんな、彼女はまだ10歳ですよ。それなのにいかがわしいことなんて……なんて? クラブジャムン?」


「あれ? システィ知らないの? 人間界で一番甘いスイーツだって。確かインドのお菓子だったかな」


「こいつ、甘いものは吐くほど苦手だからな。相当メンタルに来たんだろう」


「………」



 システィは呆れて声も出ない。

 仮にもハートの数札(スポット)であるのだから、そんな無様な真似はしないでほしかった。



「では、最後にクリームヒルト。あなたの報告を聞きましょう」


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