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(仮)転生したアラサー既婚OLは、夫に会うために友情エンドを目指すことにしました。  作者: 善最はち
第一章 転生前の記憶を取り戻しました
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プロローグ

この光景には見覚えがある。

どこかの国で見つけた小さな教会だ。


たまたま居合わせた若い神父さんにお願いして、ふたりだけの儀式を行った。



「あなたはここにいる−−を、病めるときも、健やかなる時も、富めるときも、貧しきときも、妻として愛し、敬い、慈しむことを誓いますか?」


名前がよく聞き取れない。

けれど、隣りにいるーーは、間髪入れず答える。



「はい、誓います。」



この言葉を耳にするのは、実は入籍してから初めてのことだ。

挙式はせず、身内だけの顔合わせとお披露目だけで済ませたから。


「あなたはここにいる−−を、病めるときも、健やかなる時も、富めるときも、貧しきときも、夫として愛し、敬い、慈しむことを誓いますか?」



この新婦は「わたし」だ。

これは、「わたし」の記憶だ―――。



はい、誓います。



わたしも迷わず、誓いの言葉を口にする。

順序通りいけば、このあとはキスを交わすはずだ。


しかし、神父さんは首をかしげ、思っても見ないことを言った。



「本当に?」



え?



「本当に永遠の愛を、誓いますか?」



え?

はい、誓います。もちろん…



何の確認だろう。

もしかして日本語が通じなかったんだろうか?



改めて神父さんのほうを見上げると、先程までに見知った顔ではなくなっている。

もっと少年のような、青年のような、日本人のような、外国人のような、よくわからない姿に見える。



思わず隣の夫の手を握ると、ぐにゃり、と地面が大きく歪んだ。

バランスが取れない。

立っていられない。

ジェットコースターや飛行機に乗っているときみたいに、お腹の中がふわっとして踏ん張りがきかない。



夫の手をとっている感覚はあるのに、視界も覚束ない。

ただ、少年のような、青年のような、高くも低くもない声が頭に直接響いてくる。



「じゃあ証明して見せてほしいなあ、君の永遠の愛ってやつをさ…!」




その瞬間、轟音と大きな衝撃と共に、体がどこかへ吹っ飛ぶ感覚に襲われた。




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