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ぼーっとする意識がゆっくりゆっくりとハッキリしていくのと同時に眺めてるようで認識をしていなかった眼が少しずつ今の状況を認識していく。
数秒かけて自分がいる場所を確認した彼は困惑していた
「……」
(どこだ?…ここ…)
今彼のいる場所は一面真っ白な空間
周りの空間をみていると不思議な気分になる。まるで遠くを見てるのに近くを、近いところ見てるのに遠く感じるというなんとも不思議な空間であった。
そして目の前には不明の少し発光しながら浮いている球体があるのみ
「歩いてみるか…」
と呟いた後歩こうとした瞬間何処からか声が
ーー正確には発光している球体から声がかけられた
「初めまして、九喜 清次でお間違いありませんよね?」
「あっハイ」
(やべ名前呼ばれたから咄嗟に返事しちゃった…)
「そうですか、ありがとうございます」
いきなり声をかけられ咄嗟に返事を返したがよくよく考えてみるとなんでこの球体は何故自分の名前を知っているのか?この球体はなんなんだ?などと考えいると
「只今の状況を説明してよろしいですか?」
とまた球体から声をかけられる。清次は今の状況を全く把握をしていないのでとりあえず何故名前を知っているのか?この球体はなんなのか?は後回しにした
「ハイ、お願いします」
「わかりました。では……」
「……」
(マジでどこなんだここ)
「あなたは死にました」
「……えっ?」
突然の死の報告に先程まで考えていたことが吹き飛びそれと同時に、何言ってんだコイツ?と心のなかで思った。
「あの〜すみません、自分確か家にいましたし いきなり死ぬようなことはありえないと思いますが?」
「ここに来る前の記憶は覚えていますか?」
「酒のんで寝たことは…」
「そうですね酒飲んだあとあなたは眠りにつきましたが、眠っている間に吐瀉物を詰まらせ窒息死しました」
「ハァ?」
まさか自分が吐瀉物ーー寝ゲロで死んだとは思わずかなりアホな声がでた
(じゃあ死んだとしてここどこなんだ?)
などと考えており沈黙していた清次に先程までの冷静に物事を進めていた声とは違い今度は心配するかのような声で球体は呼びかける
「あの〜……大丈夫でしょうか?…大丈夫じゃないですよね、いきなりですしね申し訳ございません」
「ーーあっハイ」
自分が死んだことよりここがどこなのか考えていたため球体の存在を忘れており返事が適当になったがそこで思いつく、球体に聞けばいいじゃんっと
「あの〜すみません、ここどこなんでしょうか?」
「ここですか?…あっ申し訳ありません説明するのを忘れていました」
「あっ大丈夫です」
「ありがとうございます。 まずここは天寿を全うできなかった魂が来る場所で私はこの場所の管理者です。あなたの世界で言うところの神みたいな存在です」
「そ、そうすか…それで魂はここにきた後どうなるんですか?」
とりあえず天国あたりではないことと球体がまさかの神さまであることは分かったが、新たな疑問ーー不安が生まれる今後自分はどうなるのかという不安が
「本来天寿を全うした方達は基本的に干渉はせずまた元いた世界に転載させますが、天寿を全うできなかった魂はそのまま転生させると管理している我々に不都合があるので一旦こちらに招くのです」
「我々?…とりあえず不都合って何ですか?」
「管理者は複数いるんですよ、上のものや下のものだったり、不都合についてはお話できません。申し訳ありません」
「そ、そうすーーですか」
「言葉は楽にしていただいていいですよ」
とりあえず自分が地球に転生をすると不都合があるみたいなのはわかったがまだ自分が今後どうなるのか不明のままなので未だ不安なままだ
「ありがとうございます。では、自分は今後どうすればいいんすか?」
「先程も言った通り元いた世界、地球に今の状態で転生するのは不都合なのでこちらで管理している不都合が起きない他の世界に転生し天寿を全うしていただきます。」
「他の世界?」