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プロローグ
「あ……」
少年は座り込み、体も心も竦んでしまっている。
見慣れた町の道端。しかしいつもと違うのは、大きな爆発で吹き飛ばされた家屋と、辺りに無造作に散らばる町の人たちの死体。そして目の前に立つ、見慣れない少女。
「じゃあ、そろそろ終わりにしようかな?」
少女はそう言って、楽しげに笑う。そして彼女の手には、力強く光る光球が現れた。動きが鈍くなっている少年の頭で分かることは、『あれは自分を殺すための力だ』ということ。
「アハハッ! それじゃ、バイバ~イ!」
少女は光球を高く掲げて、そう言う。
この日を境に、光に満ちていた少年の日常は一変していくことになる。