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17.

「予想はしてたけどもうお城じゃない?この家。」


「普通だろ? まぁ入れよ。」


菊池くんは強い風の中玄関? で待っていてくれたらしい。玄関って、私の部屋より広いんだけど……。


「女子は甘い物好きだと思ってマカロン準備したけど高橋は食べられるか?」


家に入り少し歩くと菊池くんが私に聞いてくれた。


「私は好きだよ!!」


「お前に聞いてねえよ!」


えー! と拗ねた顔をするあかり。安定に可愛いよ、ほんと。サポートキャラが言うんだから。さすがヒロイン。一応私もマカロン大好きだよ、と伝えると菊池くんはホッとため息をついた。そんなに気を遣ってくれたのか、優しいな。

それから数分歩くと菊池くんの部屋らしきところに来た。家広すぎません?


「やっと来たか。」


「来んの遅いわ~! あれ高橋サンの服エロない?」


「でしょ~! 僕がプレゼントしたんだよ。みんなに見て欲しくなくて上着貸したんだけど脱いじゃったから。」


この人たちは何を言っているのか。こんな服着るんじゃなかった、と後悔してももう遅い。


「お、男は胸しか興味がないのですわね!」


「かなちゃんが汚れる!」


2人はお互いの胸を見てため息をついた。大丈夫だよ、まだ中一だから成長するよ。私の隣で菊池くんは顔を真っ赤にしている。初心だなあ。東堂としゅんにも見習って欲しいよ。花京院くんは相変わらず表情が読めない。

みんなでゲームをしていると不意にノックがした。菊池くんのご両親かな?


「失礼致します。昼食の準備が整いましたがお待ちしましょうか?」


「いや、食堂に行くから並べておいてくれると助かる。」


ばあや、みたいな人がでてきた。これって現実? あ、乙女ゲームだからこの人たちがおかしいのか。


「菊池くん、御手洗かりてもいい?」


実はいつ行こうかとずっと迷っていた。人の家に来たら言い出せないんだよね。


「俺高橋に案内するから登場人物頼む。」


「おっけー。ほな、みんな行こか」


菊池くんと2人きりってなぜか緊張する。でも、なぜか安心もする。なんだろこの矛盾。あ、そうだ小学生の頃仲良かったひなたくんと雰囲気が似てるんだ。全然性格は違うけど……。


「やっと思い出したか」


「え?」


もしかして口に出てた……?


「俺の名前覚えてるか?」


「え、ひなたくんでしょ? あっ……。」


「そう。お前の知ってるひなたは俺。」


「えぇ!? 男の子に茶化されて泣いてた日向くん!?」


「うるせぇ! そんなに泣いてねえわ! でも、またかなと会えてよかった。」


すっごい目を釣りあげて怒っていたのに急に優しく微笑むからつい、ドキッとしてしまった。

でも、ひなたくんは遊ぶ時集合場所にしてた公園に来なくなったのだ。私のことが嫌いになったのかと悩み、一週間以上心にすっぽり穴があいたような虚無感に襲われていた。


「先にトイレいけよ。出てきたら話すから。ちょっと整理する。」

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