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追憶の温泉ホテル  作者: Kidney Yaponskiy
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8.ゲームコーナー

 タオル片手に館内見物する。途中、ゲームコーナーを通ると、行きの車内で見かけた兄弟が対戦型のテレビゲームに興じている。

 親は疲れて部屋で休んでいるのだろうか、姿が見えない。


「同じホテルだったか。」


 偶然だが、そんなに珍しいことでもない。特急列車の目的地はこの温泉だし、この温泉街でも営業しているホテルは少ないのだ。


 少年たちは飛行機から放たれるミサイルで、相手と戦う白黒画面のテレビゲームに熱中していた。浴衣姿でしばらく兄弟の対戦を眺める。


 飛行機はゆっくりと方向を変えるため、なかなか相手方向に機首を向けミサイルを発射できない。

 もどかしい動きでやっと方向を変えてミサイルを発射しても、敵はもうそこにはいない。


 時間が過ぎるとゲームオーバーになり、決着がつくまで100円玉を投入する。100円玉が尽きると兄弟は両替機を探した。ところが、手に持っているのは懐かしい500円札で両替機には入らなかった。


「そのお金は入らないから、フロントに行って両替してもらったらいいよ。」


 兄弟は礼をいうとフロントのほうに走って行った。


 小学生の頃、ホテルの夜の楽しみといったらゲームだった。

 親は子供から解放されたいから、お金を与えて遊ばせるのだ。子供たちは普段ゲーム機で遊べないから、ホテルで遊べるのは大歓迎なのだ。


「今時は家庭用のゲームが普及してるから、きっとアーケード用のゲーム機って、かえって面白いんだろうな。」


 そんなことを考えながら大浴場に向かった。

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