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従魔のためのダンジョン、コアのためのダンジョン 設定資料集  作者: 唖鳴蝉
国情(軍事については別項で述べる)
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イラストリア王国~農業およびその他の産業~

 イラストリア王国における産業は、山岳地・高地・平地のそれぞれで異なっている。



【山岳地】

 まず山岳地の多くは山林で占められており、急峻な地形もあって開墾はほとんどされていない。この地域を利用するのは狩猟採集生活を営むエルフや獣人たちであり、エッジ村のような小規模集落が山麓部に点在するのを除けば、人間たちはほとんど利用していない。木材生産なども山麓部の植林地で行ない、奥山に分け入って木を伐り出す場合には事前にエルフや獣人たちとの折衝が必要である。もしこれを怠って勝手に木を伐り出した場合、どのような報復を受けても文句は言えないとされている。林産物はエルフや獣人との交易によって得る事が多い。ちなみに、この地域で造られている酒は主に果実酒である。

 (エッジ村のような)山麓部の小集落では、農業と林産物採集が六対四、または七対三の割合を占めている。栽培されている作物は、換金作物としての山小麦と豆類が多い(豆類の一部は自家消費用)。他に自家消費用としてライ麦・蕎麦(そば)玉蜀黍(とうもろこし)・芋類、およびその他の葉菜・根菜類を栽培している。


【高地】

 高地では草地に集まる草食獣目当ての狩猟が長らく盛んであったが、やがて草食獣の一部を飼い慣らす事で牧畜が行なわれるようになった。現在でも人間や獣人による狩猟は盛んに行なわれているが、次第に放牧地の面積が増えてきている。

 牧畜としては、王国軍が採用する騎兵のための馬産が盛んであるが、乳や肉を得るための牛の飼育も多い。なお、毛糸が知られていないために羊毛の利用は毛皮もしくはフェルトにとどまっており、付加価値が低いために羊の飼育はそれほど盛んではない。貧しい者は山羊や鶏を飼うことが多い(これは山麓部の小集落も同じ)。豚は飼料が人間の食物と重なるため、一部を除いて飼育されない。なお、肉類の供給は――モンスターなどの――狩猟に頼る部分も多い。

 高地では気候条件がやや冷涼なのと土地がそれほど肥沃でないため小麦はほとんど栽培されておらず、食糧と飼料を兼ねて燕麦(えんばく)が広く栽培されているが、グルテンをほとんど含まない燕麦(えんばく)ではパンが作れないため、ポリッジのような粥として食するのが普通である。また、一部ではライ麦も栽培されている。ライ麦は小麦の代用として栽培されるほか、エールの材料としても利用される。高地で生産されるエールのほとんどはライ麦が原料となっている。なお、高地で醸造されるエールも上面発酵によるもので、平地よりは若干発酵に時間がかかる。山林に近い分だけ様々なハーブを香り付けに利用できるため、高地では地域ごとに様々に異なった味わいのエールが造られており、愛好者も多い。なお、自家消費用に蕎麦(そば)を栽培する家も多い。


【平地】

 平地では小麦の栽培が中心となっている。豊富な水量と肥沃な土壌に恵まれてはいるが、耕作に向いた平坦地は必ずしも多くない。そのために、限られた面積の農地を効率的に使うための農業技術が発達してきた。王国北部と違って山脈という防壁・障壁が無いために交易路――時には侵略ルート――に不自由せず、諸国の物資や技術が流入してきた事もあって、農業技術の改良と普及は他の国よりも進んでいる。限られた面積での高効率の農作業、それがもたらす高収率・高品質の作物がイラストリアの農業の特徴である。

 なお、豊かな農業地帯であったが故に、王国南部は過去に何度も侵略の対象として狙われてきた。何度も自力で侵略者を撃退してきた南部の住民は戦闘技術にも()けており、その自負の故に独立(どくりつ)不羈(ふき)の気風が強く、王国による過度の干渉を嫌う。

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