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僕が勇者に選ばれた理由

「単刀直入に申し上げます。あなたはトラックと接触して瀕死の状態です。これからお話しする私の提案を受けるかどうか、ご自身で判断して下さい。あなたは私たちの住む町の勇者に選ばれました。私たちの町には日本国内でペットとして人に飼われた猫たちが転生して楽しく暮らしています。あなたはその町で、猫たちに囲まれてもふもふしながら暮らすことになります。さあ、選んで下さい。瀕死の状態の現世に戻って一発逆転の可能性にかける、別称『無理ゲー』に挑戦なされるか、それとも私たちの町へ勇者として転生するか、決めるのはあなた自身です」


「転生でおねがいします」


 僕は即決した。


 あっ、でも気がかりなことが……


「一人暮らしをしている僕の家に猫が3匹いるのですが、心配で……」


「分かりました。勇者になられるあなたへの特典として、その3匹の猫たちをこちらの世界に転生させましょう」


「痛くはないですよね…… 死なすと言うことですかそれは?」


「いいえ違います。ただ消えて、そしてこちらの世界に移動してくるだけです。ほら、先程の幼女のように……」


 うっ…… また罪悪感が……


 でも仕方がない。僕はそれで手を打つことにした。


「ところで、僕が助けようとした猫ちゃん達は、貴女とあの猫耳幼女なんですよね。あそこで何をしていたんですか?」


「私たちは先代の勇者様が老衰のため亡くなられて、その変わりとなる方を日本各地の仲間と共に探していたのです。吉原健太さん。あなたはまさに私たちが求めていた勇者様です!」


 そこまで言うと、イオリさんは僕を優しく抱きしめてくれた。


 猫耳以外は人間の女性の身体そのものなのでドキドキしてきた。


 ああ、女性との初めての抱擁がイオリさんで良かった――


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