聖剣エクスカリバー
「私たちの完敗ね。単独行動しかできないはずの猫たちを良く統制させたわね。あの作戦も見事だったわ」
犬耳軍代表の篠原さんが言った。
「いいえとんでもない。炎の壁を崩されそうになって一時はどうなるかと焦りましたよ」
僕はリズムの回復魔法による治療を受けているミーコを見つめながら答えた。
「ご謙遜を。それにしてもあのトラ猫ちゃんの強さには参ったわ。あれほどまでの戦士がいるなんて聞いていなかったもの」
篠原さんはトーラを指さして言った。
「ああ、トーラのことですね。実は彼は現世で僕が飼っていた3匹のうちの1人で、こちらの世界に来るなりどこかへ修行の旅へ行っていたんですよ」
「そうなの。主人思いの良い猫ちゃんね」
篠原さんは優しく微笑んだ。
僕と篠原さんの視線を感じたのか、トーラが近づいてくる。
僕の前でひざまずき、
「マスター、ご無沙汰しております。挨拶が遅れて申し訳ありません。ただ今帰って参りましたトーラ18歳、戦士でございます」
「おお、肩ぐるしいあいさつはなしだ。良く帰ってきてくれた」
僕はトーラをハグした。
「それはそうと、マスターにお土産があります。こちらを……」
と言って、背中にぶら下げていた長剣を差し出してきた。
「これを僕に?」
「はい。勇者のための剣、聖剣エクスカリバーでございます!」
「え――――?! マジィィィィー?」
その場にいた全員が絶叫した。
聖剣エクスカリバーって、あの有名な?
トーラはこの世界の果てまで修行の旅に出かけていた。
旅先で様々な人々と出会い、そして力を手にした。
聖剣エクスカリバーはそんな旅の中で偶然に手に入れたらしい。
いやいやいや、まだ本物とは限らないぞ。
恐る恐る受け取り、柄を握って剣を天に向かってかざすと――
『ピカァァァ――――!』
聖剣が光り輝き、放電作用に似た青白い光が僕の周囲を覆った。
本物だー!




