戦況は不利なり
僕ら3人のパーティーはモンスターを狩るときのように敵の犬耳戦闘員を1人ずつ倒していく。
とは言っても完全に命を奪うわけではない。
回復魔法を使えば命を繋げる程度のダメージで抑えるのがルールらしい。
もう10人近くは倒したはずだが……
戦力差が違いすぎるぞ!
犬耳戦闘員が4、5人のチームで囲い込む作戦に対して僕らのパーティー以外の猫耳戦闘員は単独行動のためあっという間に囲まれて無力化させられている。
「一時退却するそ!」
僕らは荷馬車の位置まで下がった。
その僕らの様子を見て心配してくれたようで、シフォンが寄ってきた。
「勇者様、お怪我をされましたか?」
続いて『トトトト』とリズムも寄ってきた。
「リズムさん、あなたは防御系の魔法が使えますよね?」
僕はある作戦を思いついていた。
「はい、壁を形成する術式とドーム型バリヤーの術式が使えます」
「ドーム型は直径何メートルまで?」
「最大で15メートルはいけると思いますよ?」
ちょうどその時、男性猫耳サブリーダーも様子を見に来た。
これで人数が揃った!




