魔法幼女リズム
遠征1日目――
遠征隊は『もふもふの町』から歩いてすでに半日経過していた。
「では30分の休憩をとります。各自水分と食料を補給してください」
男性猫耳サブリーダーが大声で叫んだ。
一斉に歩きを止め、休憩に入った。
僕ら3人は大きな木にもたれ掛かり、支給された食料を食べ始める。
すると、隊列の前方から『トトトト』と小さな猫耳幼女が走って来るのが見えた。
一瞬、目の前で消えていった銀髪猫耳幼女かと思ったが……
灰色のたれた耳が特徴的な猫耳幼女だ。
魔法使いの特長であるとんがり帽子にローブという服装。
猫耳幼女は僕らの目の前に来て立ち止まった。
「やあやあ、勇者様ご一行! 隊長に聞いてあいさつにきました。回復系魔法使いのリズムです。以後お見知りおきを!」
帽子をとり、礼儀正しくあいさつをしてくれた。
「リズムさん、こちらこそよろしく!」
「魔法使い…… 私はじめて会いました! 私は攻撃型魔法使いのミーコ…… よろしくお願いします!」
おおっ! ミーコがいつになく積極的になっている。
リズムはチームリーダーのシフォンと同じパーティーに所属しているらしい。
シフォンのことを『隊長』と呼ぶのも納得だ。
ミーコとリズムはすっかり気が合ったようで、休憩時間一杯まで魔法を見せ合いながら話に花を咲かせていた――




