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遠征隊チームリーダーのシフォンさん

 『もふもふの町』の中央広場――


「遠征チームに参加する方はこちらで受け付けていまーす!」


 遠征チームの受付には数多くの戦士や行商人達が列をなしていた。この近辺では得られないモンスターの肉や貴重な資源を定期的に遠征チームを組んで狩りに行くそうだ。


 この町で大金を稼ぐには遠征に行くのがお勧めらしい。


「それに遠征ともなれば、勇者様の女問題の歯止めにもなりますし……」


「だーかーらー、それは誤解なんですよー」


 イオリさんの機嫌がなかなか直らない。


 一方、ミーコとチョコは仲良く手をつないで楽しそうだ。


 女って難しいなぁ……


 ようやく僕らの受付の番がきた。


「やあやあ、勇者様はじめまして。私は今回のチームリーダーを務めますシフォンです。以後お見知りおきを!」


 真っ白いボニーテールの猫耳女性が握手を求めてきた。

 

 すらりと伸びた長い足にズボン姿。


 有名な歌劇団の男役を連想させる猫耳美女だ。


「よろしく、シフォンさん。初めての遠征なので迷惑をかけないように頑張りますよ」


「いやいや、勇者様が同行されると知れば皆の士気も上がります。そちらのお供の方々もよろしく!」


 ピッとVサインをしながらウインクをしてきた。


 チョコとミーコは『わーっ!』って喜んでいる。


 女子はこういうの好きなんだな、やっぱり。


 戦士として登録した僕たちには、遠征で獲得した品の買い取り額を頭割りした金額を報酬としてもらえるシステムのようだ。『働きに応じて』とかでない分、平和な感じがするね。現世では何かと競争を強いられていたから……


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