アイテム屋の店主の思いやりに泣く
ここはアイテム屋――
「やあやあ、勇者様いらっしゃいませ。今日はどんなご用件で?」
店主のプーニャンが話しかけてくる。
「この娘達に合う武器を探しているんだけど、武器屋ではお金が足りなくて何も買えなかった!」
僕はずばり言った。
旧知の仲のプーニャンにすがるしか手立てがないのだ。
「左様ですか…… ちなみにご予算はおいくらで?」
「1万2千5百円。これを使い切ったら夕食の食材も買えずに飢え死にだ!」
「ほほう…… かなりお困りのようで」
プーニャンはそう言いながら、店の奥へ消えていった。
なにやらゴソゴソ捜し物をしている様子。
「ありましたありました。これは如何です?」
見ると、長さ1メートル弱の両刃の剣だ。
柄の部分は錆びているものの、実用品としては充分そうだった。
「いいね! それはいくら?」
「これは勇者様にお貸しします。お金が貯まって他の剣に乗り換えるときに返してください。そうすれば『勇者の剣』として価値が出て私も儲かりますので」
プーニャンは優しい笑顔でそう話した。
僕が使ったところで付加価値なんて出ないと思うけど、きっとこれは彼の優しさだ。
僕は有り難く使わせてもらうことにした。
「で、それの前払い分を差し引きまして、こちらの短剣を戦士のお嬢様に、こちらの魔法の杖を魔法使いのお嬢さんにということで、締めて8千円で如何でしょう?」
「ううっ…… ありがとうプーニャン……」
僕は人目をはばからず泣いてしまった。
ちゃんと僕らの夕食代を残してくれたんだね……
こうして僕ら3人はそれぞれに武器を手にして草原へ向かった――




