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はじめての添い寝

 気持ちが通じ合ったからといって、肉体的に通じ合って良いわけではない――


 僕の隣にチョコが添い寝している。


「僕はロリコンじゃない僕はロリコンじゃない……」


 念仏のように唱えていると、チョコがクスッと笑って言う。


「いつものように…… 頭を撫でて……」


「おっ、おう……」


 僕はフリース製のフード越しに頭をなでなでする。


 現世ではこうしているとゴロゴロ喉を鳴らしていたよなぁ……


 この世界のチョコは嬉しそうにニコニコしている。


 かっ、可愛い……


 僕はチョコが大好きだ。もちろん猫としてだ!


「今度は…… 直接なでなでして……」


 チョコがそうせがむので、頭のフードをそっと持ち上げる。


 耳がぴくんと立って、斜め後ろに折りたたむ。


 甘えるときのポーズだ。


 直接頭に触れると、先程までフードを被っていたせいで、ほわっとした温かさと心地よい湿気を感じる。チョコの身体から漂ってくる汗ばんだ香りが僕の鼻腔を刺激して頭がどうかなりそうだ。


「僕はロリコンじゃない僕はロリコンじゃない……」


 念仏を唱えつつ、頭をなでなですると、


「あんっ――――!」


 チョコがヘンな声を上げた。


 僕はビックリして手を離すが、チョコはニッコリ笑っていた。


「お前、僕をからかっているだろう?!」


「ゴメンなさーい! もういいません」


 ふうー、危うく理性のたがが外れるところだったぜ……


 しかし安心するのはまだ早かった。


「背中も……」


 ああそうだった…… チョコは背中からしっぽの付け根辺りまで撫でられるのが大好きだったのだ。そこさえ撫でていれば気持ちよくなって寝てしまうはず。


 幸いにして、チョコの身体はフリース素材のパジャマに覆われている。


 ちょっと大きな猫ちゃんと考えればギリギリセーフだ!


 僕はそう自分に言い聞かせつつ、チョコの背中に腕を回し……


 背中をすりすり……


「うっ……」


 チョコは約束を守って声を上げない。


 腰の辺りをすりすり……


「あっ……」


 顔を真っ赤にして恥ずかしそうに堪えるチョコ。


 なにこれ?


 ご褒美と言うよりも罰ゲームのような気分ですけど。


 こうして僕とチョコの2人だけの夜が過ぎていく―― 


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