チョコ12歳の女心
初めての狩りを終えた夜――
夜中にふと目を覚ますと、人の気配を感じる。
「ケンタ……」
僕のベッドのすぐそばでパジャマ姿のチョコが立っていた。
ダークグレイ色のモフモフ系のフリース素材。
フードから猫耳がちょこんと突き出している。
「ケンタ、今日はごめんなさい……」
「チョコは何も悪いことしていないと思うぞ?」
僕は上体を起こして答えた。
「だって…… だって…… ううっ……」
チョコはぼろぼろと涙を流して泣いてしまう。
僕は慌てて彼女をなだめた。
落ち着きを取り戻したチョコの話をじっくり聞いたところによると、彼女は昼に反抗的な態度をとってしまったことを謝りに来たのだ。その原因がミーコばかりを僕が褒めていたことによる嫉妬ということも分かった。頭をなでなでしたことでチョコの機嫌が直ったなんて、僕の思い上がりだったのだ。
「僕の方こそゴメン! 謝るのは僕の方だよ」
「いいえ、ケンタはミーコの良いところを褒めただけ…… ケンタは悪くない!」
「よし、じゃあ明日の狩りもよろしくな、チョコ!」
「はいっ!」
いつもの元気いっぱいのチョコに戻った。
「明日のためにも今夜はじっくり寝ておこうな……」
僕は再び布団に潜り込むが、なぜかチョコは立ったままこちらを見ている。
「…………?」
「ケンタ…… あの…… 今夜だけ一緒に寝てもいい?」
「はぁぁぁ――――?!」




