ご祝儀相場で……
「まず、角の付け根から包丁を差し込みましょう」
イオリさんがモンスターの解体方法をレクチャーしてくれている。
「うわぁー、ビシューってキラキラが吹き出てくるぞー!」
彼女が僕に包丁を渡した理由がようやく分かった。
なお、ここではグロイ表現を避けるために『キラキラ』と呼ばせてもらうが、それが何であるかは想像してくれ。
僕は大量のキラキラに気分が悪くなり、何度も吐きながら作業した。
ようやく抜き取った角は装飾品や薬の材料としてそこそこの値段で買い取ってもらえるそうだ。
「続いて、肉のおいしいところを切り取りましょう。まずは前足の付け根に包丁を差し込みましょう」
イオリさんの指示は的確だ。
その分、僕を苦しめているのも事実だ。
『ブシュゥ――――!」
「オエェェェェェー!」
大量のキラキラとの格闘はまだまだ続くのである。
『もふもふの町』の市場――
僕らは1時間500円でレンタルした荷車に獲物を乗せてやってきた。
「これ、いくらになります?」
ブルーな目をした肉屋の店主に尋ねた。
「おやおや、これはこれは。勇者様の初仕事ですね。ご祝儀も兼ねて5千円でどうでしょう?」
ご祝儀相場で5千円かぁ……
この世界も厳しいね。
僕らは5千円を受け取り、肉を店主に引き渡した。




