テレポート
『もふもふの町』に命からがら逃げ帰った3人――
「はあ、はあ、チョコの自信たっぷりな態度にすっかり騙されたよ」
「はあ、はあ、自信はあったんだけどなぁー、おかしいなぁー」
猫パンチの素振りをしながらチョコが言った。
素振りの度に『ビュン』と風切り音が鳴る。
「…………ん?」
ただ1人冷静なミーコは息も乱れていないことに気づく。
「ミーコは余裕ぶっているけど、走るのが得意なのか?」
「私は…… チョコみたいに筋肉バカじゃないから…… 空間転移で移動しました……」
「――――くっ!」
チョコが何かを言いかけたがそれを制止して、
「お前そんな便利な魔法が使えるのー? ちょっとやってみせろよ!」
「ちょっとだけですよ…… テレ――」
そこまで言ったかと思うと――
「――ポート!」
次の瞬間、僕の背面からミーコの声が聞こえた。
「スゲー! 瞬間移動したー! ミーコお前どこまで移動できるの?」
「私の現在のレベルでは…… 10メートル…… それ以上は魔力が尽きる……」
と言うことは、もっとレベルを上げれば距離も伸びるわけだ。
魔法ってすごい!




