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モーニングセット

「なあ、いい加減機嫌を直してくれよー」


 僕たち3人はイオリさんお勧めの喫茶店でモーニングセットを食べている。


「どうせ私たち、料理できないダメ女ですよーだ!」


 まだ怒っている。


 自分で『料理ができない』って言ったのに……


 女は扱いが難しい。


 これが猫だったら…… あっ、チョコは猫だった!


「ごめんよー。今度3人で料理の研究しようぜ!」


 と言いながら、頭を優しくなでなでしてみた。


「そっ、そんなことしたって…… ふにゃぁぁぁー」


 チョコは明らかにデレデレになる。


 ミーコもすまし顔をしているが、満更でもないようだ。


「コーヒーのおかわりいかがですか? 新しい勇者様」


 白い髪の猫耳ウエイトレスが声をかけてきた。


 白い髪と言っても白髪ではない。20代前半の元ペルシャ猫の女性だ。


「ありがとう。いただきます」


『コポコポコボ』


 フレンチプレスで淹れる本格的な珈琲だ。


「いやー、この町でこんなにおいしいコーヒーが飲めるとはうれしい限りです」


 僕は上機嫌で猫耳ウエイトレスに言った。


「ありがとうございます! あっ、先にお会計よろしいですか? 当店は前払いでお願いしているのをうっかり伝え忘れていました」


「そうですか。あっ、このお金使えます?」


「お客さん困ります。この町の通貨できっちり1260円お支払いいただかないと……」


 猫耳ウエイトレスのお姉さんの笑顔が引きつっている。


 僕が困っていると、イオリさんが両替所に案内してくれた。


 戻ってきたら『人質』として残っていた2人の追加注文と併せて5000円を超えていた。


 チョコとミーコの腹は膨れ、僕の財布は大分軽くなったのである。 


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