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…なに企んでんの?

『苑代。あんた、あさってヒマ?』


その日の夜、実家の母から電話がかかってきた。


「うん、休みだから一日空いてるけど。どうしたの?」

『あらー。そりゃよかったわ』

「だからなにがよ」


問えば、母は含み笑いをするばかりですぐに答えようとしない。

不幸な知らせではないんだろうが、嫌な予感しかしない。


『山田のおばさん、知ってるでしょ』

「母さんの友達の?」

『イエスイエス。あさって、山田さんとランチ食べるの、A市のホテルで。あんたも来ない?』

「はあ、それは優雅なことで。でもお金ないよ、私」

『やぁねぇ。久々に会う娘に、そんなみみっちいこと言ってほしくないわ。ご馳走したげるわよ』

「…なに企んでんの?」


母の調子が良すぎる。


友人との旧交をあたためるために娘を連れていく道理はないはずだ。

第一、この母は根が真面目なので、「キチンと働いてる人間が金欠になるなんてどんな遊びにハマってるんだバカ娘」などと説教をされる方が平常運転なのだ。


……しまった。

安易に、一日空いているなんて答えるべきではなかったかもしれない。


そんな苑代の後悔も知らず。


『あらー。企むだなんて、失礼な子。じゃあハッキリ言うわ。言うわよー』


母はサラリと。


『苑代。あんた、お見合いしなさい』


大爆弾発言を放った。

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