表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

シブサワ先生

「ただいまー。遅くなってごめんよ小湊さん、コンビニ混んでたー」


呑気な顔に呑気な声で入ってきたのは、今日の相方だった。


苑代を遮るように立っている男を見て、半井は一瞬眉をひそめる。

しかし男が振り返ると、「あー」とまたのんびりボイスを上げて会釈した。


「お疲れさまです。えっと…シブサワ先生」


シブサワ?


そうか、シブサワというのか。この人。


「今日が初仕事でしたね。いかがでしたか? 集団授業のご感想は」


半井の営業スマイルにも、やはり表情を動かすことなくシブサワは答える。


「マイクの存在になかなか慣れなくて。うっかり持ち忘れて、何度か地声を張り上げました。喉の疲労感が少しあります」

「あはは、それは大変でしたね。まぁぼちぼち慣らしていってください。今後とも、よろしくお願いします」

「こちらこそ。では、本日はこれにて失礼します」


そしてシブサワは上半身を斜め45度に前傾させた。

シャキッという音が聞こえてくるような、そういうロボットなんだろうかと思うほど、正確なお辞儀だった。


さらにそのお辞儀を苑代にも向けてくる。

あまりのシャキッと感につられ、苑代も急いで腰を折った。

その反動で突きだした尻が椅子の背にぶつかった。

正直かなり痛かったが、平気なふりをして「お疲れさまでした」とニッコリ笑った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ