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馬を引く者  作者: 江鋼太値
馬を引く者                   第三幕 悲憤慷慨
32/43

1、彼女

 

 「これ、外見えるのか?」

 「ご心配なく、その点は考慮しております」

 「んっなぜゲーテの声がするのだ?」

 「なぜって言われたら答えないわけにはいきませんが・・・・おまえはなぜ我の声がすると思う?」

 ゲーテは答えを求めるように威勢よく声を吐き出す。

 「なぜって・・・」

 赤龍は海の中を海底へと向かい降下しながら考える。

 「うーん。これがお前の一部だからか?」

 「せいかーい!!ピンポーンピンポーン。そう、お前が纏ってる雲、それが我の体の一部だからだ」

 声を弾ませ、体を頑張って捻じ曲げようとするが、体の一つ一つが細かすぎ、かつ薄すぎるため、うまく動かすことができず、虚しく弾んだ声だけが聞こえる。

 「そうか、正解か。俺の考えは正しかったということだな」

 「ご名答。よくできました。パチパチパチ」

 「なぜ声でパチパチという?いつもみたいに雲を動かせばいいではないか」

 「それができれば苦労はせぬ」

 「どういうことだ?」

 俺は降下する脚を止め、海の中でゲーテの一部に尋ねる。

 「それはのー。お主に纏わらせるために我の体の一部を細かくし、薄く膜のように張ってお主を護っているため、いつものように動かそうとすると壊れかねないのじゃよ。

 あと、我の雲のサイズが細かすぎて薄すぎるために、お主にまとわり、周りを徘徊させることで海底の圧力からお主を護るという役割以外聞こうとせんのじゃよ」

 「ようするに・・・どういうことだ?」

 「・・・・」

 ゲーテはどういうふうに説明したらよいのか思案しているようで黙ってしまう。

 「おーい、ゲーテさーん?どうしたんですかー?・・・・いなくなったんですかー?」

 呼びかけてみるが、

 「・・・・・」

 なぜか返事がせず、そのまま黙ったままのため、

 「じゃあ、置いといて出発しますよー」

 と周りに聞こえるようにわざと大きな声をかけ、降下を始める。

 すると、

 「・・・まて、」

 短くもわかりきったような声が聞こえ、

 「えっ?」

 驚き、その場で停止してしまう。

 「ようするに・・・我の体の一部が細かすぎるため、一番最初のお主の体の周りを纏い、徘徊せよという命令以外に他の命令をしようとしても、まったく聞き入れようとせんのじゃよ」

 「・・・うーん、まーなんとなくわかったが、ようするに、自分の体が細かすぎて思い通りに動かせないということだろ」

 「まー簡単に言えばそういうことじゃな」

 俺はゲーテの返答に、最初っからそう言えよとか思ったが、口には出さず、

 「なら、しかたないな。いさぎよくお前は俺の周りを周って時折(じせき)話しかけてくれればよい」

 「はーもったいないお言葉で・・・」

 「・・・・」

 「なんで黙ってしまったんですか?あかりゅうさま?」

 「・・・・ちょっとな」

 「ちょっとなんですか?」

 「・・・いつもと違う返答に戸惑っているだけだ」

 「あーそういうことですか?だっていつも同じにしてたら、いくら仲間だからっていったってあきるでしょ」

 「あきないあきない。だってお前がいてくれたら心強いし、話し相手にもなって一石二鳥だ。第一一人で彼女を説得できるとは俺もお前の言動から確信しておらんしのー」

 「そうか。ならよかった」

 ゲーテはふーと息つくように一息息を吐きだす。

 「ふー・・・」

 赤龍はそのゲーテのため息を聞き、ゲーテがてっきり他の事でも考えていたのかと思い、問いただそうとゲーテの一部に対して問いかける。

 「なんだ?もっとほかの答えを期待してたのか?」

 「いーや。悪い答えを想像してたんだが、そうならなくてよかったと思っただけじゃ」

 「ふーん。そうなのか。でも、お前が悪い答えを予言していて、俺がその答えを言わなかったってことは、まだ未来の希望があるということだな」

 「・・・いやいや・・・こっこれは単に我が予言しようとしていなかっただけで、本当に間違えたわけでは・・・」

 「ほう?そうか。本当にそうなのかね?」

 「・・・・」

 ゲーテは赤龍の威勢のいい圧力に圧倒され、どのように返答すればいいのかわからなくなり、固まってしまう。

 「黙ったな。・・・黙ってしまうということは、そうならない可能性もないことではないと考えていいということだな・・・おい、ゲーテ!」

 俺はゲーテに確信を求めるように問いかける。

 「・・・・」

 ゲーテは言いたくないのか黙ったままでいる。

 「そうか、黙っているのか。なら、俺はお前の予言を変えるためにこれから彼女を説得するための文句でも考えるとしますかー」

 俺は体もこころも軽くなったため、勇んで彼女の許へ赴くために脚を動かし始めるのだった。


 ▲


 彼女を説得するためにはどうすればいいか?

 1、話し合いをする。

 これはありだ。だが、ゲーテの言動を見た限りでは、失敗するリスクのほうが高いと踏んでいる。試しにゲーテに聞いてみる。

 「おい、ゲーテ!・・・ゲーテさーん?」

 「・・・」

 なんだまだ黙ってるのかよ。おい、反応してくれよ。答えがわからねーじゃねぇーか。

 俺はひとまず待ってみる。

 「いーち、にーい、さーんともどってはーち・・」

 「・・ってもどってねーじゃねーか」

 「あっつっこんだ。答えは何だゲーテ?」

 「答えってのは何だ?」

 「おいおい、さっきのこと聞いてただろうが。聞いてないとは言わせねーぞ」

 「・・・・わかったよ。・・・話し合いだろ話し合い」

 渋りながらも応える。

 「そーだ。話し合うという選択肢はあるのか?」

 「あるといっちゃあある。・・・だが、たぶんだめだ」

 「・・・なぜだ?」

 「・・・我の考えのため、一概には言えんが、彼女の性格上話し合いだけで解決できるとは思わん」

 「・・・そうだな。俺もそう思う」

 なぜ俺がそう思うかというと、それには理由がある。

 まず第一に彼女は人の話をあまり聞かない。というか、聞けないと言ったほうが正しい。

 なぜなら、彼女はバカだからである。

 それはなぜかというと、彼女は、俺が止めるのも聞かずになんにでもつっこんでいくからだ。

 これじゃわからないか。・・・わからないだろうな。

 じゃあ、俺が彼女と一緒にいてわかったことを言う。

 でも、これは過去の彼女と一緒にいてのことだから、今がどんなんというわけではないぞ。だから、

 「はよ言え。このうすらとんかち」

 「・・・うすらとんかちだと・・・俺を怒らせるとはいい度胸をしてるな」

 俺は怒りを露わにし、蔑んだ目で睨みつける。

 「ほほう、我に喧嘩を売るとはいい度胸じゃ。なら、この結界解いてもいいんじゃな」

 俺は考えた。考えようとした。だが、考えるよりも先に口が勝手に動いていた。

 反射とは時として理にかなうことが多いものである。

 「・・・はっ?・・・まてまてまて、ゲーテにいったんじゃない。あいつにいったんだ・・あいつに」

 「・・・あいつとは誰じゃ?」

 俺はゲーテの問に答えるためにゲーテの一部の隙間からうっすらと見えるものを指さす。

 「・・・ほうほう。あやつか。あやつに言ったのか。あの体全体が透明で中の臓器がみえみえの魚に」

 「体が透明で臓器がみえみえ・・・?」

 俺は考えたそれがどんな生物か?

 1、体が透明ということはそこにいないということ。だが、臓器が見えているということは、生物としてはそこに存在していること。

 ・・・ってどういうことだ!?

 俺は頭がこんがらがり、自身の頭を両手で抱えてうずくまる。

 「・・・おーい。あかりゅう~。あかりゅうやーい。どうしたー」

 ゲーテが俺に声をかけている。たぶん、俺がゲーテの中で頭を抱えてるからだろう。

 ・・・ってなんでこんなことで頭を抱えなきゃならん。

 だいいちわかってるだろ。そいつは深海魚か、作者のどっちかだということは。

 でも、やっぱり透明で臓器だけが浮いているってどういうことだ?なんで臓器だけ?そもそも透明なら臓器も隠れるもんじゃないのか?

 俺はますますわけがわからなくなり、体まで一緒にその場で丸める。

 「・・・おーい。・・・おーい。一体全体どうしたんだよ。・・・おーい・・・」

 ゲーテは俺の行動を不審に思い、俺を正気に戻すために動かない体で必死に声をかけ続ける。

 「・・・おーい・・・おーい・・・お~~~い!!」

 その掛け声はどんどん大きくなり、しまいには叫び声以上の大きさになる。

 そうなってしまったら気づかないわけにもいかないと俺は考え、ゲーテの呼びかけに答えることにする。あと、いいかげん答えも知りたいしな。

 「・・・でかいってゲーテ。そんなに大きな声だしたら鼓膜が破れるって」

 「・・・そうか・・・すまんすまん。頭抱えるまでは良かったんじゃが、そのあと体まで抱えだしたからな。一体全体どうしたことかと思ってな。・・・病気にでもなったんじゃないかと思ってな」

 「病気になんかなってない。俺はいたって正常だ」

 「・・・そうか。それは良かった・・・うっうっうわ~ん」

 「・・・ってなんで泣き出す。あとなんで泣いてるのに涙が流れん」

 「・・・うっ・・うっ・・そ・・それは・・・我が・・・我が・・くっくもだか・・だから・・・うっ・・うっ・・・」

 「いやっもういい。もう無理にしゃべらなくていい。でも、もう一つだけ聞いていいか?泣いてるとこ悪いが」

 「・・・なんざ」

 言えてないし。

 「はー。あいつは何だ?」

 「・・・体すけすけの臓器ありあり生物」

 「・・・・」

 なんだよそりゃあ!?答えになってないぞ。

 「・・・これじゃないか。ならどう答えたものか・・・」

 「それには実際見るほうが早い」

 そういうと、何かが俺とゲーテの中に入ってきた。

 俺はそいつを見て、どういったらいいのかわからなくなり、言葉を失った。

 なぜならそいつは本当に透明で、臓器がみえみえだったからだ。

 「・・・なんだこいつは?」

 「・・・なんだとは失礼な。・・・作者だよ。作者」

 「・・・やっぱり作者か・・・はー」

 「はーとはなんだ。はーとは」

 「はーなもんははーだ。ようするに期待して損したということだ」

 我は作者に対してそう断言した。

 「・・・何を期待していたんだ?」

 俺とゲーテは同時に答えた。

 「「作者じゃないこと!!」」

 「・・・・」

 私はその答えを聞き、驚愕した。

 生物としての驚愕で私の目が透明の体から飛び出て、前に血管ごと突き出される。

 ようするにびっくりして目が飛び出したということである。

 「・・・ってまぎらわしい解釈するな」

 私は叩かれた。パソコンによって叩かれた。動くはずのないパソコンという物体に。

 「・・・はーもういい。いいからお前はひっこんでろ」

 「・・・ほーい・・・」

 げっそりしたような元気のない返事をし、私はその場から退散する。

 「・・・なんだったんだ」

 「・・・さあ?なんだったんでしょうね」

 俺とゲーテはまったく何がなんだかわからないというような顔をし、出ていく生物!?を見送るのだった。


 ▲


 「っで、どこまで話したっけ?」

 「たぶん、てかまだ何も話してない」

 「そうか、まだなにも話してないか。なら最初っから言う。これは彼女と遊んでいたときの話しだ」


 「わーいわーい。りゅうりゅうみてみてー」

 「なんだそれは」

 「えーっと・・・でっかい海藻」

 「うん、そうとしか言えんな」

 俺は彼女のほうに近づきながら目の前の物体を見上げる。

 それはあまりにも大きかった。有に3~4mはあるのではないかと思ったほどだ。実際にはそれ以上あるのかもしれない。でも、正確なところはわからない。なにせ測定するのに適した物体がないからだ。

 俺は目の前の物体を見上げながら彼女のほうへ近づいていく。

 「おーい、なにやってんだ?」

 「えーと・・・もぐもぐもぐ・・・くってる」

 「・・・いや、それは見ればわかる。何を食ってるか聞いてるんだ」

 「もぐもぐ・・・もぐもぐ・・・ごっくん。あーおいしかった。りゅうりゅうもほら、早く来て食ってみてよー。おいしいよ」

 「・・・・」

 俺は彼女の行動力をみてあきれてものも言えなくなった。

 目の前の濃い深緑色の物体がゆっくりとゆれている。

 たぶん、風にでも揺れているのだろう。まーこの場合の風というのは海の中だから水流でもあるがな。

 「だから早く来てって」

 「ひっぱるな。行くから」

 「いいじゃん。一緒に行こ」

 「はぁー」

 俺達は海藻の隣に着いた。

 彼女がおもむろに目の前の海藻を引きちぎり、俺に差し出す。

 「・・・・」

 俺が黙ってみていると、無理やり顔に押し付けてきた。

 なにすんだよ。何も見えないじゃないか。てかっなんで食べなきゃならん。

 俺はそう思い、彼女の腕におのれの腕を重ね、強引に引き離す。

 「はぁはぁはぁ」

 「やるわねあんた。でも、これで引き下がるわけにはいかないのがあたしよ」

 そう言うと彼女は俺の目の前に立ちふさがり、強引に口を開け、手の中の物体を押し込みにかかる。

 俺は必死に抵抗するが、いかんせん口の力だけでは彼女の腕の力に太刀打ちすることなど到底できるはずもなく、すぐに口の中に何かくちゃくちゃした物体が入ってくる。

 俺はそいつをゆっくりと噛みしめる。

 弱い力でゆっくりと噛む。

 「もぐもぐ・・・」

 やわらかくはないようだ。

 「どう?おいしい」

 「・・・もぐもぐもぐ・・・」

 俺はどう表現したらいいものか考えた。彼女に同意し、おいしいと答えるか、それとも素直に味がないという感想をいうべきか。

 俺は困ったと思い、目を瞑り、腕を組み、考える。

 「・・・・」

 「ねぇねぇ・・・ねぇねぇ・・・どうなのよ。ねぇねぇ」

 そんなに激しく揺らすな。今食ってる最中なんだから。

 「・・・」

 俺は観念し、

 「・・・おいしいよ」

 彼女に同意するという選択肢を選んだ。

 「そうよね。おいしいわよね。ねっねっねっ」

 「あっああおいしい」

 俺が目をあけ、彼女に同意すると、彼女が一層顔を近づけてきて、同意を求めてきた。

 って近い近い近い。そんなに近づくなよ。

 俺は目の前にある彼女の顔に動揺し、赤くなる。

 今思ったんだが、彼女の瞳って体の色と同じブルーセレストなんだな。

 「なになに、りゅうりゅうあかくなってるー。かっわいい」

 「あっあかくなっなんかなってない」

 「声うわずってるよ。りゅうりゅう。どうしたの?ねぇねぇ」

 だから近いって。早く離れろよ。

 「ねぇねぇ・・ねぇねぇ」

 俺はもう耐えられなくなり、大声で叫ぶ。

 「いっいいからはなれてくれ~!!」

 「うっ・・・うわっ・・そんなに近くで叫ばないでよ。わかったよ。離れればいいんでしょ。離れれば・・・」

 「はぁー・・はぁー・・はぁー・・」

 俺はやっと離れてくれたと思って呼吸を整えるために深呼吸をする。

 「はぁー・・ふぅー・・はぁー・・ふぅー・・」

 はぁー・・やっと落ち着いたぜ、もうっ。近いっての顔が。あと、なんだよあれは。もうっまったくついていけねーぜ。

 俺は彼女を眺めながらそんなことを思うのだった。


 「あーっもう。まだじんじんするよ耳が。・・あんなに叫ばなくてもいいじゃん、りゅうりゅうってばもうっ。でも、・・・あんなに動揺したりゅうりゅうの顔・・・初めて見たな。・・・やっぱかわいいりゅうりゅうって」

 あたしは、あたり一面にひろがる生物たちの死骸が風化してできた砂浜をみつめながら、りゅうりゅうのことばかり考える。

 「・・・あーっもう。なんでりゅうりゅうってあんなにかわいいんだろう?・・・なんでなんだろう?」

 あたしには、まだこのりゅうりゅうのことをかわいいって思う気持ちがなんなのかはわからない。でも、目の前にひろがる世界が楽しいってのはわかる。だから、今は楽しもう。今をせいっぱい楽しもうじゃないか。だからあたしは今日もりゅうりゅうと一緒にいる。

 「・・・・りゅうりゅう・・あーっそぼ~」


 ▲


 「ふぅーん、そんなことがあったんだ。なら、話し合いってのがうまくいかないとお前が感じるのも納得だな。なっとくなっとく」

 ゲーテは赤龍の話しを聞きながら感心する。

 「ゲーテは知ってるものだとばっかり・・・」

 「あー知ってるよ。でも、細部までは知らないかな。そこまで追求して予感しなかったから」

 予感?ゲーテには予感でわかるのか?予感ってなんだ?予想すればわかるのか?あと追及って・・・自分がそのことを知ろうと思わなければわからないっていうことなのか?それとも・・・

 「赤龍?・・・どうした?我が何か変な事言ったか?」

 「・・・いいやなんでもない。忘れてくれ」

 ・・・まっいっか、たぶん俺が聞かなくても後で本人から教えてくれるだろ。仲間なんだから。

 俺はそう思うことにし、しばらくこの話は追及しないことに決めたのだった。


 ▲


 「っで、他には案はないのか?赤龍?」

 「ほかにか・・・」

 俺は考えた。海の中を泳ぎながら考えた。真っ白な霧しか見えない中を泳ぎながら考えた?

 さっき話した中に答えがあるはずだ。なんだ?思い出せ・・思い出すんだ俺。そうだ。あきらめるんじゃない。

 「思い出せーーー」

 俺はそのとき無意識に叫んでいた。周りにゲーテがいるのも気づかずに。たぶん、考えることに夢中だったのだろう。

 「どっどうした!?耳が痛いじゃないか」

 「・・・ああー・・わるい。・・・ってお前には耳なんかないじゃないか」

 「・・・そうだよないよ。言ってみただけだよ。言ってみただけ・・・」

 なんで俺は叫んだんだ?叫んだって思い出せないものは思い出せないじゃないか。だったらどうすればいい。そうだ。さっき俺が言ったことを思い出せばいいんだ。さっき俺はなんて言った?あいつのことをどう言ったんだ?あいつは・・・あいつの性格は・・・。

 赤龍はそこで何かを思いだし、動かし続けていた手足を留め、両拳を握りしめる。

 あっわかったぞ。どうすればいいかわかったぞ。

 そうだ!!あいつの性格・・・性格を利用すればいいんだ。性格を・・・。

 「・・・どうした!?なにかわかったのか?」

 俺の姿になにか糸口をつかんだと感じたゲーテが質問してくる。

 「ああー・・わかったぞゲーテ、あいつを説得する方法がな」


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