10、タヌキんど一世に休日はない
また助けなければならないのか。あーだるいなー休みたいなー。でも、行かないとあいつらしんじゃうしなー。うーん、やっぱり行くしかないかぁー。
「よし行こう!」
そして、タヌキんど一世は立ち上がりました。外に出て、庭にはえた睡蓮のような淡い赤色の花びらの真ん中にミツバチの触覚のような黄色い花粉を蓄えたおしべを持ち、その中心に球根のような膨らんだ黄色いめしべがある花、通称、夢見花を採ってきて、布団の上で寝ている狸の頭の上に夢見花を置きました。そして、なにやら呪文のようなものを唱えはじめました。
「インダラ、インダラ、インダスタス、胸の奥にいるインダラよ、我をこやつの詠みの国へ連れていきたまえー。インダラ、インダラ、インダスタス。」
とタヌキんど一世は、手をあわせて唱えました。
すると、どうしたことでしょうか?タヌキんど一世が畳の床に倒れ、そのまま眠り込んでしまいました。
タヌキんど一世は、狸と馬の夢の世界に入ってしまったようです。また狸と馬を助けに行ったようです。手にはちゃんとハンマーも握っています。準備万端の様子です。
タヌキんど一世は目を覚ましました。目の前には岩の怪物〔ゴーレム〕がいます。ちゃんとワープできたようです。
インダラ(詠みの国の案内者)。
夢の国にいざなう者のこと。
黒いころもを羽織っていて、右手には大きなカマ。左手には大きな杖を持っている。