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7、むかつくあいつが大好き

週末ぶりです。


ちょこっと前回までのあらすじ


魔物に殺されたぞ!

幽霊になったぞ!

勇者に使役されたぞ!

セクハラ受けてるぞ!

村ぐるみの追いはぎにあったぞ!

勇者が遺跡で聖剣をゲットしたぞ!

また旅にでたぞ!          ←今ここ 


ではどうぞ!






 えー、前回遺跡にて聖剣を手に入れました。どうやら自我のある剣らしく、初代勇者の手で鍛えられた剣だそうです。聖剣を手に入れるための条件がいくつかあるらしくて、一つ目は聖剣と契約できるほどの魔力を持っていること。聖剣は普通の剣とは違い、使い魔扱いらしいです。なので、名前を付けて正式に契約しないといけないらしいです。


 勇者は聖剣に名前をつけました。


 剣の名前はオズラとメズラ。


 何故名前が二つあるのかと言うと……。



 『おい、ちんくしゃ。何でお前みたいな幽霊が勇者様といんだよ』


 『ひ~っ、ごめんなさい、ごめんなさい。悪気はないんです。あなたみたいな対して美人でもないし、力もないのに勇者様と一緒にいるなんて疑問に思っただけなんです~』



 ……このように、一つの剣に二つの人格があるからです。


 っていうかメズラ、謝る気ないでしょ、絶対!




 勇者は最初、声が男と女だったので「オスとメス」になりそうでしたが、私が何とか抗議して「オズラとメズラ」になりました。


 正直勇者の名づけセンスは最悪だと思いますよ。

 私も何気なく名前を受け入れましたが、絶対に幽霊の「レイ」でしょ!絶対他の人にはばれたくない!


 「レイ」



 ……まぁ、勇者に呼ばれるぶんには構わないけど。



 「レイ、どうした?」


 「べ、別になんでもな……ってスカートの中に手を入れるな!」


 またもや勇者の腕に乗っかって(乗せられて)歩いている途中でセクハラを受ける私。



 カタカタカタ



 勇者の腰に下げられた聖剣がカタカタと揺れている。勇者は渋々セクハラする手を止め、剣を鞘から抜く。


 『おいちんくしゃ!勇者様に不埒なことしてないだろうな!』


 『ごめんなさい、ごめんなさい!そんな色っぽい身体ではありまでんでした。ごめんなさい!』


 「メズラ!あんたが一番悪意あるんですけど!!」


 『てめ』(キンッ)



 突然オズラの声が聞こえなくなり、その代わりカタカタと聖剣が揺れる音が聞こえた。そのカタカタに執念深さを感じる。聖剣は勇者が大好きらしい。


 「うるさい」


 「ゆ、勇者?」


 怒りのこもった視線を聖剣に向けた勇者。私は思わず怯んで体を縮めた。

 それに気づいた勇者が私を見ると、腕の中に抱き直し頭を撫でた。


 「レイに言ったんじゃないよ」


 「……」



 ……ハッ、私何安心してんの!?


 頭なでてもらって気持ちいい、とか……。



 「う、うわああああああっ!!」



 慌てて勇者を突き飛ばして空へ逃げる。



 勇者は私の突然の行動に驚いたものの、どこか嬉しそうにおいでおいで、と手招きしていた。

 が、私には罠にしか見えない。


 「だ、誰が行くか!セクハラ勇者――――っ!!」


 渾身の叫びにも、勇者は嬉しそうで……。



 な、なんかむかつく~~~っ!!







大好きなのは聖剣でした。


まぁ、そう簡単にはいきません。



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