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24、小さいものがワラワラ集まるとキモイ。

前回までは……


前に登場した金髪碧眼の美青年神官が残念な美青年となって再び勇者たちの目の前に現れる。


暴走したトントを【光の魔法】で浄化し、一件落着……と思いきや、

聖剣のせいで町を守っていた壁までも消してしまったらしい。


勇者はすべてを残念な美青年に押し付け、町の宿へ戻ってくる。







 私たちは宿に戻ると荷物を持ち、町を出ようとした。



 「見つけましたよ、勇者様!」



 宿を出ようとしたところで残念な美青年に追いつかれた。



 「やはり、まだあなたに悪霊の気配がします。今度こそ滅して――――」


 「あ、あんたが、町の救世主だね!?」


 「え?」



 宿の女主人、ミリアナが残念な美青年を見て叫んだ。


 

 「聞いたよ、悪い呪いにかかった子どもを助けたんだって?しかも壊れた町の壁を何とかしてくれるそうじゃないか」


 「えっ!?」



 さっき起こったことなのに、何故ミリアナが知っているのか。


 不思議なことはない。


 宿に戻った時、勇者がちゃんとミリアナにも救世主のことを話していたにすぎない。



 「何!それは本当か!?おい、そこの救世主、こっちに来て飲め!」



 残念な美青年はミリアナと店の中にいた客に連れて行かれ、勇者と私は何度ともなかったかのように歩き出す。



 「ゆ、勇者様、たすけ――――」




 バタン




 その叫びは、扉に阻まれて勇者には届かなかった。











 ※※※※※※※※※※









 町の外 岩石地帯




 「そういえば勇者、あんな芸当できたんだね」


 「?」


 「ほら、自分のこと『私』とか言っちゃって。あんな嘘八百ついて」


 「腹芸が得意な奴の真似をしたまで」


 「……ふーん」



 勇者は多くを語らなかった。


 そういえば、勇者に使役されて暫く経つが、勇者が勇者になる前、どんな所にいてどんな暮らしをしていたか、何も知らない……。



 「知りたい?」


 「ん?」



 見ると、勇者が口元を私の耳に近付けた。



 「そんなに俺のこと、知りたい?」


 「っ!?なっ、はぁっ!?」



 な、何を動揺してるんだ私!


 しれっと「別に」とか言えばいいだけじゃないか!



 顔を放した勇者は壮絶な色気を放つ笑みを浮かべており、何故かさらに動揺してしまった。


 そんな私を勇者が引き寄せると、顎を掴み上向かせ、唇を近づけた。


 その素早さに私は思わず目を閉じて――――。



 「来たみたい」


 「……」



 勇者は私を離し、岩山の下に視線を向けた。




 そこには、おびただしい数の魔物の群れ。


 それは全て、勇者の方を向いている。


 この群れは、勇者が町に滞在している間に集まったモノ。そして、聖剣の力を使ったことで魔王に居場所を突き止められ、これだけの数を送り込んできたのだろう。


 もし、あと少しでも町を出るのが遅ければ、この魔物たちは町を囲み、襲っていただろう。



 「今度こそぶちのめしてやる!」


 「すぐ片づける」




 勇者は吐き捨てるように言うと聖剣を抜き、イライラをぶつけるように振りぬいた――――。












魔物は八つ当たり半分の攻撃で一掃されました。


レイはちょっとものたりない気持ちになったとか……。

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