21、幽霊のお友達ができそうです。
日が空いたのと、前回は勇者視点の番外だったので、本編のあらすじ。
雨の町につきました。
イチャイチャしました。
財布盗まれました。
イチャイチャしてました。
盗んだ少年を追いかけました。
イチャイチャしました。
岩の中に住む子供たちを見つけました。
イチャイチャします。
盗んだ少年トントが完全に呪われました。
イチャイチャしたいです。
呪いを解除するために岩の中に入るところです。
イチャイチャした――――。
レイ:「うるさいよ!さっきらかイチャイチャとか!」
勇者:「事実だし」
レイ:「少し黙っとけ!!」
では続きどうぞ!
結局勇者の腕の中から抜け出すことが出来ず、奇妙な集団のまま川についてしまった。
「ここです。ちょうどこの下に岩の中に通じる穴があります」
以前、岩の中の池に落としたものがここから出てきたというので、繋がってはいるのだろうが、果たして大人が通れる道が続いているか。
「先に見てこようか?」
万が一穴が小さくても、幽霊なので溺れることはない。
その時、地震のような揺れが起こった。それは、岩の中で起こっているようだった。
「いや、時間がない」
「へ?」
そういうと、勇者はいきなり水の中に飛び込んだ。
私を抱えたまま。
「ぎゃっ――――」
バシャーン
幽霊になって初めて水に入るものだから、思わず息を止めてしまった。
「あ、私息してなかった」
気づくと勇者の腕から離れていた。見ると、勇者は両手を使って川の流れに逆らって泳いでいる。
勇者は私の視線を受け、別の方を向いた。
そこには、ちょうど大人一人分が通れる穴が開いている。
「ここね」
水の中で分かりにくいが、地鳴りのような爆発音は聞こえる。
急がなければ。
流れに関係なくその穴まで行くと、勇者もついてきた。
勇者が穴まで近づくと、穴に吸い込む力が働いているらしく、勇者の体はあっという間に穴の中に吸い込まれていった。
「勇者!」
慌てて後を追うと、勇者は平然と流されるままになっていた。
確かに、抵抗して余計な力使うより、力を抜いて流れに身を任せた方が息も続く。
暫く流れに身を任せていると、分かれ道が見えた。
私の呪いがかかったトントの現在位置は分かるが、流れがどう岩の中を通っているか分からないので、私が案内することはできない。
「分かれ道!勇者、どっち!?」
勇者は私の声を聞き取り、迷わず右を指さした。
「右ね!」
ユラユラと流されている勇者の肩を掴み、右の流れに移動する。
同じような分かれ道をそうやってやりすごしたが、掴んでいる勇者の肩がだんだん力が入ってきている。
表情も苦しそうで、息が切れそうになっているのだろう。
「もう、出口はまだ!?」
そうして再び分かれ道を左に進んだ。
「あっ、行き止まり!!」
強い流れのせいで、引き返すことはできない。それに、勇者の息も限界だ。
勇者は行き止まりの壁を見て眉を寄せると、聖剣を抜いた。
壁をぶち壊すつもりらしい。しかし、そうでもしなければ、勇者は溺れて死んでしまうだろう。
『よっしゃーっ!久しぶりの出番だぜぇ!』
『本当に久しぶりです』
二人の言う通り、オズラとメズラの声を久しぶりに聞きました。ということは、聖剣を抜く場面がほとんどなかったということです。
いや、魔物には会いましたが、聖剣では力が強すぎるらしく、使っていませんでした。
使うと、あたり一帯さら地になります。
もうほんと、ただでさえ山一つ吹き飛ぶ魔力を持っているのに、聖剣という力を増幅させるものをもっていては、山三つ消えるそうです。
今は宝の持ち腐れ状態。
なので、オズラとメズラは今ものすごい張り切っています。
こ、これはやばくないですか?
下手したら岩だけでなく近くの町まで――――。
『よっし行くぜ!』
『あたり一面さら地です~』
やっぱり駄目だーーーーーーー!!!!
が、私が止める間もなく勇者は剣を振りぬいた。
ドカーーーーン
「ぎゃああああああああっ!!」
あぁ、町の皆さんごめんなさい。幽霊になったら、色々教えますから……。
感想、誤字脱字報告ありがとうございます。
毎日更新は無理そうですが、これからもよろしくお願いします。




