1、幽霊だって女の子なんです!
8月20日……ちょっと最後を変えました。
目の前には紫色の猪。っていうか魔物です。
「この魔物め!このっ!このっ!」
突進してくる魔物を避け、赤く錆びたような剣で切り刻む。
「次で最後だ!」
ふらふらと弱った魔物に剣が振り下ろされ、魔物の首が飛ぶ。
「ふっ。他愛もない」
ポーズを決めてセリフを吐くと、背筋にぞくっと寒気が走った。
振り向くと、猪の魔物の仲間と思われる猪の魔物が一匹。しかもご立腹。
突然のことにポーズを決めたまま動けない私。
あ、終わった……。
フラッシュバックするのは同じような光景。
燃える家。叫ぶ人。暴れる魔物。
私の前にも魔物が現れ、そして――――。
『ギュイイイイイイイイイイイ』
ハッと我に返ると猪の魔物の目には赤い剣。
振り返ると剣と同じ赤い髪をしたイケメン。
「大丈夫か」
そしてエロボイス。
「あ、大丈夫――」
私はイケメンの背後に倒したと思った魔物が立ち上がったのを見た。
「危ない!」
思わずイケメンの前に飛び出して両手を広げるも……。
するり
「はれ?」
魔物は私のお腹を通り抜けていった。
『ギュイイイイイッ』
振り返ると淡々と倒す赤髪のイケメン。
次々に魔物が出てくるのを一人で倒しているイケメンに加勢しようと地面の石を掴み……
するりと通り抜ける指。
…………
あ、私幽霊でした。
イケメンが魔物をすべて倒し終えた。そのものすごい強さの秘密は、腰にぶら下げているエンブレムが物語っている。剣が交差し、強さの象徴獅子が描かれたエンブレム。
そう。赤髪のイケメンは勇者なのです。
そして幽霊の私は……
グイッ
「んむっ」
チュ――――
勇者のセクハラ受けています。
不定期更新ですがよろしくお願いします!