18、イケメンって何しても様になるのが何か悔しい。
強制的に連れ戻された私は、例のごとく勇者に抱きとめられ、その後逃げることもできずに勇者の腕の中。
どうやら、勝手に探検に行ったことを怒っているらしく、離そうとしてくれません。
私も、これ以上勇者を怒らせると後でどんなセクハラされるか考えたくもないので、今は大人しくしておきます。
「勇者様!連れてきました。こいつがトントです」
穴からさっきの子どもと、見覚えのある少年が出てきました。
まぎれもなく、財布を盗んだ少年です。
「トント、お前勇者様の財布盗っただろ?返せ」
「嫌だ!」
「トント?」
「これは僕のだ!」
そう言ってトントは抱え込むように財布を握り、血走った目で勇者を睨みました。
「トント?どうしたんだよ。いつも手に入ったものはみんなで山分けしてたじゃないか。いつものお前らしくないぞ」
「これは僕のだ!誰にも渡さない!!」
そう叫ぶと、トントは別の穴から岩の中に入って行きました。
「……」
「(じー)」
「……あ~、はい。かかってますね。呪い」
勇者の視線を受けて素直に答えます。
「ごめんなさい勇者様。トントはあんな奴じゃないんだけど……」
「あぁ」
「いったいどうして……」
それは彼が呪われてるからです。
呪いを解除したいですが、それには直接財布に触る必要があります。
「それにしても、こんなすぐに呪いの効果が出るなんて、よっぽど私と彼の相性がよかったんですね」
ピクッ
「ちょっ、勇者……し、しめすぎ、ぐえっ!」
腹!腹!しめてる、しめてる!
別に何も食べてないけど、何かが口から出ていきそう。
お腹に回って締め付けてくる腕をタップすると、力を緩めてくれたが、腕を外してはくれなかった。
「ちょっとあんた!私を絞め殺す(いや、もう死んでるから)……消滅させる気!?」
苦しくて思わず涙が滲んだ瞳で勇者を下から睨みつけると、それを見た勇者の目が熱っぽいそれに変わった。
あ、あれ?何で?
「勇者様、トントは本当はいいやつなんです。きっと何かに取りつかれてるんだ!だから助けてください!」
『お願いします』
いつの間にか、大勢の子ども達が岩の穴から現れて、勇者に頭を下げた。
「分かった。殺ろう」
…………
……ちょっと、ちょっと、勇者様?今何かおかしくありませんでしたか!?
見上げると、「ん?」と言って首をかしげました。
いやいや、「ん?」じゃないですよ、「ん?」じゃ。
そんな可愛らしく首を傾げても目は殺る気ですから!
何で勇者はこんな怒ってるんだ?
久しぶりにアクセス解析とか使ったら、いつの間にか2万ユニーク越えていて、驚きました。
読んでくれる皆様に、本当に感謝です!!




