17、勇者は正義の味方です?はっ
週末明け、前回までのあらすじ。
雨の降る町にきました。
そこは高い壁に囲まれた難攻不落の町でした。
勇者が財布をスられました。
財布には呪いがかけられています。
壁に穴を見つけました。
岩場につきました。
待ち伏せの子どもを脅しました。
では、続きをどうぞ。
と、前回渾身のドロップキックをかました私ですが、簡単に避けられ、あまつ抱きとめられてしまいました。
まぁ、そこで色々攻防があった訳ですが、割愛。
結果、勇者が子ども達に尊敬の眼差しを向けられていました。
……簡単に説明すると、子ども達は正体不明の何かに襲われたところを、勇者はかばうように立ちふさがり、攻防のすでに勝利した――――と思っているらしいです。
ケッ――――。
真実を知ったら子ども達が可哀想ですし、信頼があればこの子ども達から事情も聴きやすくなるので、不本意ながらそのままにしておきます。
まぁ、私の敵は魔物(と勇者)だけですから!
すっかり勇者を信頼した子ども達は、自分たちのねぐらに案内してくれました。
案内された場所は本当にねぐら……というより“穴倉”でした。
自然に開いた岩の隙間に人がいます。声をかけると何人もがひょこひょこと穴から顔を出してきました。
……なんでしょう、今急に、ピコピコと音のなるハンマー型の玩具で頭を叩きたくなりました。
そんなことを考えている傍らで、勇者は財布を盗まれ取り返しに来たことを子ども達に伝えました。
すると聞いていた人たちが顔を見合わせ、トントという名を出しました。どうやらあの少年はトントという名前らしいです。
穴倉の中がどうなっているか見て見たかったので、私はトントを呼びに行く子どもの後について行きました。
勇者は穴の前でお留守番です。壁同様、子どもしか通れないサイズの穴なので。
穴の中はどうなっているか分からないので勇者は私が行く事を渋っていましたが、許可をもらわなくてもある程度離れられるので行けるとこまで行こうと思い、無視して穴に入りました。
暫くは狭くゴツゴツした道が続いていました。そんな中を子どもはすいすいと進んでい行きます。
子どもがようやく足を止めたと思って肩越しに前を見ると、驚いて思わず声を上げました。(誰にも聞こえていませんが)
そこは岩の中とは思えない、ものすごく広い空間がありました。
子どもをすり抜けその空間へ入ると、壁にいくつか同じような穴が開いていました。おそらく、今出てきた穴の他にも出入り口があるのでしょう。
まるで迷路みたいです!
広い空間の中には水が溜まって池のようになっていました。覗き込むと結構澄んでいるので、飲めそうです。
あぁ、探検してみたい!!
フラフラと別の穴へ向かうと――――。
グイッ
あ、限界見たいです。
私はかなりのスピードで岩を通り抜けていきました。
その際、岩の中には意外と色々なものがあるのだなぁ、というしたくもない体験をしてしまいました。




