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16、人(幽霊)の話は聞きましょう!






 さて、私たちは壁を越え、ゴツゴツした岩場にやってきました。


 「こんな所にあの子どもは何の用だろう」


 「さぁ」


 「もしかして今まで盗んだものとか隠してたり……」


 「さぁ」


 「……」


 「さぁ」


 「人の話を聞けぇ!!」


 勇者は再び私を抱え、私の頭に頬を擦り付けていました。手は悪戯しようとさまよい、そのたびに私に叩かれている。



 こいつ、さっき『オレのためにレイがかけた呪いを他のヤツに渡すわけにはいかない』とか言っておきながらもう飽きたな!


 セクハラし始めたのがその証拠だ!…………いつもか。



 「お?」


 岩陰に何やら気配がする。

 勇者の手を振り切り、先に行って確かめる。

 岩場の影を覗くと、汚れた子どもが武器を持って隠れていました。反対側の岩影にも同じように武器を持った子供が待ち伏せています。


 「ここに一人と反対の岩にも一人いるよー」


 手を振って勇者に伝えると、勇者は頷きました。


 しかし、この子ども達には少し同情しちゃいます。折角頑張って隠れて待ち伏せているのに、丸見えなんですから。



 私に死角はありません!(キリッ)




 で、とりあえず脅しておきますか。







 『……ゥ……ォォ……』


 「?」


 『た……う……ぞォォ』


 「な、何だ……」


 「おい、どうした」


 子どもの身体が寒気に襲われる。もう一人は様子がおかしいと思ったのか腰を浮かせると――――


 「ひっ」


 腰を浮かせた子どもは小さく悲鳴を上げて青くなりました。


 「な、なんだよ……」


 「あ、あ、あ……」


 「何だよ、後ろに何が……」


 子どもが指さしているものを見ようと、後ろを振り向きました。



 子ども達が見たのは青白い顔。それはただの顔ではなく、とても巨大で子ども一人など丸呑みできるようなほどの大きな口。


 「「ぎゃあああああああああああああっ!!!!」」


 『たァァ~べちゃァァーうゥぞォォォォオオォォッ!!!』




 「よろこんで」



 巨大な口の前に両手を広げ立つ勇者。その瞳はキラキラと輝いている。吹き出しには「私を食べて❤」の文字が――――。



 「ってぇ、アホかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーっ!!!!」




 私は勇者に渾身のドロップキックを喰らわせた。










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