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15、持ち物には名前を書いておきましょう。







 スリの少年はすでに見えなくなってしまっていたが、何の問題もない!


 というのもこの前、悪霊スキル【所有権マーキング】を覚えたのだ!


 【所有権マーキング】とは、人間以外の物に呪いをかけるスキルである。物に呪いをかけておくことで、遠隔で誰かを呪うことができるようになった。

 つまり、いつでもどこでも『呪いの遺物』のようなものが作れるわけだ。


 前は動物に威嚇するとか、【超常現象ポルターガイスト】ぐらいしかできなかったのだが、私は旅でレベルアップしたのだ!!


 ちなみに、この【所有権マーキング】とか【超常現象ポルターガイスト】の名前は私がつけた。名前があったほうがかっこいいじゃない?誰に言うわけでもないし。



 中二?何それ。



 特に何もしていないのに急激に成長したのは、不本意ながら勇者の魔力をもらっていたからだといえる。


 勇者に聞いたところ、使役の契約は魔力でなされるため、常に微弱の魔力をもらっているらしい。

 私の場合は……まぁ……直接……大量に……もらっているので。


 もっと一度に大量にあげられるやり方があるよ?と言われたが、目を見た瞬間逃げた。



 契約した時と同じ顔してた!


 もう騙されるか!




 話を戻すと、【所有権マーキング】で物に呪いをかければ、私はその物の居場所を常に知ることができる。

 私は【所有権マーキング】が出来るようになってから、勇者の持ち物全部に呪いをかけているため、落としたり盗まれても見つけることができるということだ。

 (聖剣にも呪いをかけようとしたが、もとから呪われているような代物なので、かけても仕方がないと思ってやめた)



 別に勇者のためとかでは決してない。

 単に、使えるようになり、「これで復讐できる!」とか思っていたのだが、契約者には呪いが効かなかっただけだ!


 それを知らず、いつ呪われるかワクワクしてじっと見ていたのを、勇者は呪いが効かないことを何も言わず楽しんでいたなんて……。



 ぐぅぅぅっ!思い出しただけでムカついてきた!!



 「腹減ったのか?」


 「違うわ!!」







 そんなこんなで、私たちは呪いの気配を追って町はずれに来ました。


 「一度も魔族も盗賊の被害がない鉄壁の高い壁……ね」


 勇者と私は上を見上げ、そして下を向く。そこには……


 「見事に穴開いてるし」


 一つしかない門の反対、大きな道から隠れるようにしてある木箱の裏にありましたよ。子ども一人通れるくらいの穴が。


 壁の断面を見るに、恐らく手抜きでしょうね。

 鉄に見えますが、明らかに鉄じゃないものも交じってますし。


 「う~ん、どうしましょう。私は壁をすり抜けられるけど……」


 勇者は無理でしょうし、穴も子どもぐらいしか通れません。門まで戻ろうにも夜になってしまってしまいます。


 しかし、先ほどは激昂して忘れていたのですが、あの財布には呪いがかかっているわけですよ。……いやですから、勇者には効きませんでしたが、他の人には十分に呪いの財布であるので、大変危険なんですよ。


 あ、ちなみに財布の中身には呪いをかけてませんよ。あくまで呪いをかけたいのは勇者であって、他の人ではありませんから。

 盗人には呪いがあって当然と思いますが、今回は子どもです。子どもに呪いをかけるのは流石に可哀想です。


 「……よし、明日にしよ」


 「このまま行く」


 「へ?」


 訳のわからないうちに横抱きに抱えられ、勇者は魔術で風を操ってあっという間に壁を越え、反対側に着地しました。


 「へ?」


 私は不覚にも何が起こったのか理解が追いつかず、ボーっと勇者を見ていました。

 勇者はそんな私に黙って顔を近づけてきて――――


 「って、やめい!」


 間一髪、顔の間に手を挟むことができ、流されずに済んだ。

 勇者は残念そうに離れたので、ほっと息をついた。


 「それより、どうしたの?いつもなら『君と寝る時間が削られる』とか言って明日にすると思ったのに……」



 あ、自分で言って恥ずかしくなってしまった。



 私は赤くなった顔を背けると、勇者から嬉しそうな気配を感じ、バレていると思ってさらに顔に熱が集まった。


 「……それもいいけど」


 話しだしたのでちらりと目線だけで見ると、見るんじゃなかったと後悔した。


 「オレのためにレイがかけた呪いを他のヤツに渡すわけにはいかない」



 獲物を狙う猛禽類のような目で見られ、私は何度目か分からない寒気を味わった。











YFBはマークを書く派です。

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