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11、お酒をいいわけにすんな!





 どうも。レイです。



 勇者と私は、意外と大きい町につきました。

 盗賊と魔物対策なのか、高い壁に囲まれていて、門番の話では一度も魔物や盗賊の被害はないそうです。(と、勇者に自慢げに話してました)


 門番は勇者と聞いても、最初は驚いたものの特に特別扱いはしませんでした。どうやら、勇者がいなくても自分達で守っていると絶対の自信を持っているようです。

 むしろ、「お前もたいへんだなぁ」と言われていました。



 この町のように、勇者や国に頼らず自分達で守ろうとすることは、とてもいいことなのでしょう。だが同時に、国の権威が落ちたことを表しています。(ざまーみろ)

 国が頼りないからこのような自衛にでるのです。

 このままずっと魔王が倒されなければ、国家転覆もありえそうですね。


 ま、私には関係ありませんが。




 久しぶりに特別扱いがないので、普通に町に入り、普通に宿を探すことになりました。

 人で賑わう町で、宿もなかなか見つかりませんでした。



 夕方ギリギリになって、やっと食堂の上の部屋を借りることができ、現在勇者はお食事中です。


 「おい、兄ちゃん。そのエンブレム……もしかして勇者か?」


 「……」


 町の働き手と思われるマッチョの男が勇者のエンブレムを見つけ話しかけてきますが、勇者は返事を返しませんでした。


 私?私はいつものところですよ?あえては言いませんが。美味しそうな料理をじーっと見ていましたとも。


 マッチョの男の声が回りにも聞こえたのか、食堂のほとんどの人が勇者を見ました。

 別に私を見ているわけではありませんが、如何せん私は勇者の前にいるわけで、周りから見えないと分かっていても、多くの視線に萎縮してしまいます。


 それを感じ取ったのか、勇者はマッチョを睨みました。

 マッチョは一瞬怯みましたが、すぐにニヤリと笑いました。


 「おう、威勢がいい兄ちゃんだな。気に入った!」


 勇者は別に気に入られたくないとでも言うような顔をしましたが、マッチョはそんなの関係ないというように勇者の肩を叩きました。


 殺意がないので勇者は何もしないようですが、なかなか豪胆な人です。


 「兄ちゃん、ものすごい強いんだって?当たり前か、勇者なんだからな!」


 ガハハハと笑うと、マッチョは勇者の前に酒瓶を置きました。


 「オレと飲み比べ勝負しようぜ?」


 周りから「いいぞー」「やれやれー」という声が聞こえてきます。


 勇者は非常に嫌な顔をしていました。


 「なんだぁ?勇者は酒も飲めねぇのか?……それとも、負けんのか怖いのか?」


 マッチョの挑発に勇者は無視しました。



 しかし――――




 ……勇者が負ける?




 お酒で?




 べろんべろんに酔っぱらうみっともない勇者……




 …………





 み、見てみたいかも。





 期待を込めて勇者を見ると、呆れた顔をしていました。


 しかし、すぐにニヤリと笑うと、誰にも聞こえないように


 「後で覚えてろよ?」


 と耳元で囁かれました。



 ゾクッっと尋常ならざる寒気が背筋を通り抜けました。(幽霊なのに)





 あ、あれ?私、間違えた?









 ~飲み対決後~


 「ちょ、勇者、酔ってるとか嘘でしょ!」


 「酔ってる」


 「酔ってる人はそんなギラギラした目をしてません!あ、こら押し倒すな!」


 「んー」


 「んむっ!……ちょ、酒くさ……む、あっ」


 「~♪」









勝負は勇者の勝ち。勇者はザルです。


設定上勇者は十六歳となってますが、この世界では成人を十四歳とします。


皆さんはちゃんと二十歳になってからですよ!!



次回は週明け月曜日です。


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