10、勇者してるだけでもありがたいと思え
10話目なので、勇者視点をお送りします!
俺の名前はアルレイド・シルバー。勇者をやっている。
本名初めて知った?
登場人物紹介に書いてあっただろうが。
俺はとある国のとある町、とある家の庶子に産まれた。別にだからといって何かあるわけではないので次へ行くぞ。
ある日、森の中の小さな村が魔物に襲われたという報告があり、城にいる聖女という胡散臭い奴が世界中に魔王復活を宣言した。
聞いたところによると、もっと前から聖女は予言していたにも限らず、国王は無視したらしい。
ま、関係ないけど。
関係なかったんだが、聖女はさらに面倒な予言をしやがった。
魔王は勇者にしか倒せない。勇者を探し出せと。
城は勇者探しに躍起になった。そんな暇があるなら、部隊を編成して少しでも魔物の被害を押さえるべきだろうに、国王は自分のまわり以外固めようとしなかった。
世界中の血気盛んな奴が勇者に立候補したが、これまた聖女なるものが、真の勇者は古代から受け継がれている“珠”に触り、光ったものだという。
多くの者が触れて撃沈していった。
俺は国も世界もどうでもよかったので見ていただけだった。
しかし、俺の数少ない友人が無理やり俺の手を引っ張り触らせた。
案の定、外に漏れるほど眩しい光を放ったため、思わず“珠”をぶっ壊した。
が、それで事実がなくなるわけもなく、俺は勇者に祭り上げられてしまった。
思えば友人は俺が勇者かもしれないと分かっていたのだろう。俺の魔力がかなり強いと知る唯一の奴だったからな。
で、勇者になった俺は、国と裏切らない契約やらなんやらさせられそうになったので、気付かれないようにその日のうちに旅に出た。
国と契約なんて冗談じゃない。そんな縛られた契約なんてあとあと面倒なことになるだけだ。魔王を倒そうと思っているだけありがたいと思え。人間の相手なんかしてられるか。
友人もそのことに賛成してくれたし、餞別だと言って剣をもらった。あっという間に折れて使い物にならなくなったが。
剣はその辺の盗賊から奪ったものを使ったりしている。
魔法は強すぎるので、あたりに何もなく囲まれたときにしか使えない。一応、山が一つ簡単に消し飛ぶくらいの魔力はあるからな。
旅に出てから気付いたが、魔王がどこにいるか知らない。
その辺を聖女なるものから聞くべきだったのだろうが、旅にでてしまったのだ。勇者としてふらふらしていればそのうち向こうから来るだろう。
あぁ、そういえば、一番最初に襲われた村があったな。一番最初というのだから、魔王に一番近い村なのかもしれない。
しかたがない。行ってみるか。暇だし。
こうして勇者は彼女(悪霊)と会うわけです。
10話ごとに勇者視点入れられたらいいと思ってます(未定)。




