表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
罪楽園  作者: 零ノン
1/1

始まり

少し危ない(エロ的な意味で)内容ですが愉しんで見てください

 罪を抱えし少年少女達よ! ここは何をしても良い無法地帯だ。犯すも殺すも君たち次第。しかしルールがある。それは、ほかの人の罪を知ることだ。知ればそいつを好き犯しても殺してもいい。さぁ互いに探り合い、自分だけ生き残れ! 楽しんでくれ忘却学園での満喫ライフを!

 

 俺は目が覚めるとどこからだろうかアナウンスが聞こえた。それがさっきのだ。俺以外にも複数の人達が周りにいる場所はどこかの教室だろう。机に黒板と揃えられている。多分、他にも教室がありまだ他の人達が居るのだろうと予測できる。

 キーンコーンカーンコーンキンコンカンコーン

 唐突にチャイムとおぼしきものが流れた。それにより黒板の横に取り付けられている黒いパネルが起動した。

「やぁ、諸君。私の名は叶野かの みぞれ、ここ2年B組の担任となるものだ。さっきのアナウンス通り君たちにはここで死ぬまで生活してもらう。いきなりで悪いと思うが……頑張ってくれ」

 プツンと音を立ててモニターはまた、ただの黒いパネルに戻った。

「いきなりすぎんだろう。ってかなんだ最後の顔、女の顔じゃねぇぞあれは。どんだけ下劣な顔してんだよ……」

 さてこれからどうしたものか。周りを見渡すと、理解してない奴がいる。あー、泣いてる奴もいるか。

 窓から見える外の景色は高い壁で覆われている。すなわち自力での脱出は無理に等しいということだ。そこから考えれることは、

「ここで生き延びることだな……」

 あぁぁぁぁぁああああアァァああぁァアアアアアア!!!!!!!!

 いきなり一人の男が叫びだした。 

 目はイっている。言わば発狂状態だ。

「さっきのアナウンスとあの女ので狂ったか」

 男はいきなり自分の鞄から刃渡り30cmほどの包丁を取り出し近くに居た女を襲いだした。

「ぼ、ぼぼぼくをこ、殺そうとし、ししてるの、は、お、おおまえだろ!!!」

「ヒッ!?」

 女は逃げていたが壁に追い込まれる。 

 助ける奴は誰一人として居ない。皆、男のいる壁とは真逆の壁に集まり、男達は震え、女達は泣きじゃくっていた。 

 俺はというと教室の真ん中で包丁男を観察しながら、

「あいつ、どっかで見たことあるんだけどなぁ……誰だっけ……」

 律儀にルールを守り包丁男の罪を考えていた。

 そうしてる間にも包丁男と女の距離は近づく。 

 ……あれ、おかしくないか? 罪を知ることでそいつを好きにすることができる……いや、違う。あのアナウンスで言ったのは、『犯すも殺すも』だ。

「おいおい、生きてりゃ何しても良いのかよ……」

 ここで俺は一つの考えを練りだしたそれによりおれは笑いが込み上げてきた。 

「クックック……良いね。この生活。生き残る事も大切だがこっちの方も重要になってきたな」

 誰かに言うわけでもなくそう言うと、俺は包丁男に近づく。

 包丁男は俺に気づき振り向いた。

「おぃ、あんた。そいつ殺そうとしてんのか?」

「な、なななんだよ!!! ぉおおおおまぇも僕を!!」

「あー、違うよ。俺はあんたを殺す気はないよ」

「なななな、ならじゃ、ましししないでくくくれ。ぼ、ぼぼぼくはここ、こいつを!!!」

 そう殺す気はないよ、殺す気は、ね」

 少年は近くの椅子そっと持ち上げると足の部分、鉄でできている部分を握り、包丁男の後頭部めがけて思いっきりスイングした。

 ゴツゥゥーーーーーン!!! と甲高いと包丁男の悲鳴が重なりあった。

 包丁男の後頭部は血が大量に流れている。死んではいないだろう脳震盪による気絶のはずだ。

「あんた、大丈夫か?」 

 刺されかけた女の顔は涙やら鼻水やらでぐちゃぐちゃさらに身体は恐怖でまだ震えている状態だった。

 多分、腰が抜けているのだろう。一人では立ち上がれていない様だ。

「ほら」

 俺はそれがわかると一声かけて手を差し出した。

 女はそれを見て、さらに震える。先程の経験から人を信用できなくなっているのだろう。

 しかしそれは俺にとってはある意味、好都合だった。

「大丈夫。俺は、あんたを殺さないよ。だから安心してこの手をつかんでほしい」

 最後に軽く笑う。

 俺のルックスはかなりいい方だ。軽く微笑むだけで周囲を魅了することのできるほどにだ。

「ッ!」 

 最後の微笑みが効いたのだろう、女は俺の手を掴み立ち上がった。

 そして最後に俺は、

「あんたのことは俺が守ってやるよ。だから信用してほしい」

 女は顔を朱色に染め軽くうなずいた。

 ……堕ちた。

 俺はにやけそうになる顔を我慢して女を抱きしめた。

  

 周りはというと、唖然としていた。

 一人の少年が包丁を持ったイカレタ男を倒し女を口説き落としたのだから……。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ