第6話:格差再会
お読みいただきありがとうございます!
ついに元パーティとの再会を果たしたフェイト。
かつて自分を「ゴミ」と呼んだ者たちが、目の前でゴミのように魔物に追い詰められる皮肉な状況。
格差を見せつけるフェイトと、信じられない光景を前にしたヴォルグたちの反応をお楽しみください!
迎撃結界の向こう側で、元パーティ『栄光の盾』のメンバーは地獄を見ていた。
彼らの背後には、この階層の環境変化に驚き狂暴化した『ブラッド・オーガ』の群れが迫っている。
「はぁ、はぁ……っ! クソ、なんで装備がこんなに重いんだ! リンダ、早く支援魔法をかけろ!」
「言われなくてもやってるわよ! でも、魔導杖が言うことを聞かないの! 石がひび割れて……きゃああっ!」
ヴォルグが愛用の大剣を振るうが、かつての鋭さはない。
フェイトが密かに【分解】と【再構築】で維持していた「理想的な分子構造」が崩れ、ただの鉄の塊に戻ってしまったからだ。
そんな絶望の真っ只中、彼らの前に突如として、白磁の壁に囲まれた豪華な「扉」が現れた。
「な、なんだ……? ダンジョンの最深部に、王宮のような建物が……」
「助けて! 誰でもいいから開けてちょうだい!」
彼らが必死に扉を叩くと、プシュウ、と静かな音を立てて扉が開いた。
そこから漏れ出してきたのは、花の香りと、適温に保たれた清涼な空気。
そして――。
「……お前ら、ずいぶん汚い格好だな。掃除の邪魔なんだが」
最高級の漆黒コートを羽織り、手には淹れたてのハーブティーを持ったフェイトが、心底迷惑そうに立っていた。
「フェ、フェイト……!? なんで、お前がこんなところに……」
「死んだんじゃなかったの!? っていうか、その格好……盗んだの!?」
相変わらずの言い草に、フェイトの隣に控えていたエルシアが冷たい一歩を踏み出す。
彼女の全身から放たれる圧倒的な神聖魔力に、ヴォルグたちは気圧されて膝をついた。
「無礼ですよ。フェイト様は、行き倒れていた私を救ってくださった、この離宮の主です」
「聖、女……? 第一聖女エルシア様!? なぜ、ゴミ拾いの男と一緒に……」
ヴォルグの言葉が終わる前に、背後からブラッド・オーガが咆哮を上げ、拳を振り下ろした。
「あ、危ない!」
エルシアが叫ぶより早く、フェイトが空いた方の手を軽く振った。
パチン、と指を鳴らす。ただそれだけだ。
「【一括分解】。……素材は一箇所にまとまってくれ」
次の瞬間、数体のブラッド・オーガが悲鳴を上げることすら許されず、光の粒子へと還元された。
残ったのは、地面に整然と積み上げられた『魔力の結晶』と『良質な毛皮』の山。
「…………え?」
ヴォルグたちの口が、これ以上ないほど大きく開いた。
自分たちが命懸けで戦っていた魔物が、瞬きする間に「素材の山」に変えられたのだ。
「悪いが、今は生活エリアの除湿中なんだ。ゴミを撒き散らされると困る。……用が済んだら、さっさと帰ってくれないか?」
フェイトは一口お茶を啜ると、かつてのリーダーをゴミを見るような目で見下ろした。
第6話をお読みいただきありがとうございました!
指を鳴らすだけでSランクパーティを苦しめる魔物を「素材の山」に変えてしまったフェイト。
聖女様まで侍らせている姿を見て、ヴォルグたちは何を思うのか……。
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