第5話:自給自足のレベルが違いすぎる
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第5話では、フェイトの「快適リフォーム」がダンジョンの生態系を揺るがす事態に……。
本人はあくまで「掃除」のつもりなのですが、聖女様との温度差を楽しんでいただければ幸いです。
そしてついに、あの元パーティと最悪(フェイトにとっては最高?)のタイミングで再会します!
拠点での生活が始まって三日が過ぎた。
聖女エルシアは、朝一番に窓を開けて絶句していた。
「……フェイト様。あそこに立っている、太陽のように輝く巨大な塔は何でしょうか?」
「ああ、あれか。夜中にトイレに起きた時、暗くて足元が危ないと思ってな。そこらに落ちていた『光苔』と『古代ゴーレムの動力源』を分解して、街灯代わりに構築したんだ」
「街灯……。あれ一基で王都の全電力を賄えるレベルの神聖魔力を感じますが……」
もはや驚くのも疲れてきたエルシアは、トースト(これもフェイトが『保存食のパン』を分解・再構成して焼き立ての状態に戻したものだ)を口に運ぶ。
「それよりエルシア、今日はダンジョンの外壁を少し『掃除』しようと思う」
「掃除、ですか? 昨日のように魔物を倒すのではなく?」
「ああ。この階層、湿気がひどいだろ? 岩壁に含まれる『水属性の魔力』が飽和してるのが原因なんだ。だから、壁の概念を少し分解して、除湿機能を付与しようと思ってな」
フェイトが拠点の壁にそっと手を触れる。
【概念分解】――【再構築】。
ゴゴゴ……とダンジョン全体が震えるような地響きが鳴った。
フェイトを中心として、半径数百メートルの岩壁が瞬時に滑らかな白磁のような質感へと変化していく。
それだけではない。壁自体が呼吸をするように、空気中の不純物を吸い込み、清涼な酸素を吐き出し始めた。
「よし、これでカビの心配はないな。ついでに、余った魔力で『家庭菜園』の育成を加速させるか」
「フェイト様、ストップです! 壁を除湿機に変えるだけでも天地創造レベルですが、これ以上ダンジョンの構造を変えたら、地上のギルドが『ダンジョンの崩壊か進化か』とパニックになります!」
「え? そうなのか? ただの快適リフォームのつもりだったんだが」
フェイトは不思議そうに首を傾げる。
彼にとって、このダンジョンはもはや「住み心地を改善すべきボロ屋」でしかなかった。
その時、拠点の外にある自動迎撃結界が、侵入者を知らせる警告音を鳴らした。
「……フェイト様、誰か来ました。ですが、魔物ではありません。これは……人間の魔力反応です」
「人間? こんな深層にか?」
モニター(水晶を分解して作った監視魔法具)に映し出されたのは、ボロボロになった装備をまとい、息も絶え絶えに逃げてくる冒険者たちの姿だった。
その中には、見覚えのある黄金の鎧が混じっている。
「……なんだ。ヴォルグたちじゃないか」
かつてフェイトを「ゴミ」と呼んで捨てた、元パーティ『栄光の盾』の面々だった。
彼らは自分たちが追い出した男が、まさかこんな豪華な離宮で聖女を侍らせて優雅にお茶を飲んでいるとは、夢にも思っていなかった。
第5話をお読みいただきありがとうございました。
ついにやってきました、元パーティ!
豪華な離宮で聖女様とお茶を飲むフェイト。
一方、ボロボロで逃げ惑うかつての仲間たち。
次回の「ざまぁ」展開に向けて、期待が高まるところです。
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