第3話:拾ったゴミ(?)は聖女様でした
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第2話では、誰もが避けるダンジョンのゴミ山を「最高級の建材」に変え、豪華な拠点を爆誕させたフェイト。
今回は、そんな彼の前に「とある訳ありの美女」が転がり込んできます。
最強のゴミ拾いスキルが、ついに「人助け」にまで使われる(?)展開をお楽しみください!
結界の外では、数体の『死霊騎士』が、銀髪の少女を追い詰めていた。
死霊騎士はBランク冒険者パーティが総出で戦うような強敵だ。だが、今の俺の目には――。
「……動きの遅い、粗大ゴミだな」
俺は結界の外へ一歩踏み出した。
少女――その高貴な顔立ちは恐怖に歪んでいる。彼女は、この国の希望と謳われ、数日前に「行方不明」と報じられていた第一聖女、エルシアだった。
「だ、ダメ……逃げて……! その魔物は、物理攻撃が効かない……っ!」
彼女の警告を背に、俺は死霊騎士の白刃を素手で掴んだ。
キィィィィィィィン! と、空間を切り裂くような金属音が響く。だが、俺の指先一つ傷つかない。
【概念分解】を指先に集中させれば、接触した瞬間に相手の「硬度」を無視できる。
「【分解】」
ボッ、と小さな音がした。
死霊騎士が構えていた魔剣が、一瞬で鉄の粉末へと変わる。
「……え?」
エルシアが呆然と声を漏らす。
俺はそのまま、戸惑う死霊騎士の鎧の胸元にそっと触れた。
「まとめて消えてくれ。掃除の邪魔だ」
『対象:【死霊騎士】三体を分解しました』
『入手アイテム:【闇の魔石(大)】×3、【怨念の残滓】×6、【古びた銀貨】×30』
一瞬だった。
数秒前まで死の象徴として君臨していた魔物たちは、キラキラと輝く素材へと姿を変え、俺の足元に転がった。
「あ……あぁ……」
エルシアが腰を抜かしたまま、震える声で俺を見上げる。
俺は地面に落ちた銀貨を拾い上げ、汚れを払ってから彼女に手を差し伸べた。
「怪我はないか? 立てるなら中へ入れ。ここは一応、安全だ」
「あ、ありがとうございます……。あなたは、一体……? その魔法、いえ、スキル……」
「ただのゴミ拾いだ。……それより、服がボロボロじゃないか。そのままじゃ風邪をひく」
俺は、先ほど分解して手に入れた『天界の糸』を使って、その場で彼女の法衣に触れた。
【再構築】。
汚れは消え去り、破れた箇所は元のシルクよりも遥かに頑丈で光沢のある、神聖な布地へと修復されていく。
「……っ! 聖布が、瞬時に修復された……? 国宝級の技術を、無造作に……」
エルシアの瞳に、畏怖と、それ以上の熱い光が宿るのを俺は見逃さなかった。
「あの、私……行く当てがないのです。国では裏切り者に仕立て上げられ、追手から逃れてここまで……。お願いです! あなたのお手伝いをさせてください! 洗濯でも、食事の支度でも、何でもしますから!」
「いや、洗濯って言っても、ここにあるのは俺が作った自動洗浄機だし……」
「何でもします! ここに置いてください! 捨てないでください……っ!」
必死に縋り付いてくる聖女。
俺は頭を掻いた。
「わかった、わかったから。……ちょうど、拾った素材の仕分けが面倒だと思ってたんだ。その手伝いをしてくれるなら、居候くらいは構わない」
「はいっ! 喜んで!」
こうして、俺のダンジョン拠点に、史上最強の「ゴミ仕分け係」が加わることになった。
第3話をお読みいただきありがとうございました!
襲いかかってきた死霊騎士を、まるで粗大ゴミを処分するかのように「分解」してしまったフェイト。
そして、助けた相手はまさかの聖女様……。
「何でもします!」と言ってしまった彼女が、今後どうフェイトに振り回される(あるいはフェイトを支える)ことになるのか、ご期待ください!
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