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第15話:伝説のデッキブラシ

お読みいただきありがとうございます!

第15話は、ついに特使たちがフェイトの「掃除」の洗礼を受ける回です。

彼らに渡されたのは、ただの掃除道具ではありません。

フェイトが何気なく作り出した「異次元のデッキブラシ」が、特使たちの価値観を根本から粉砕していきます。

最強の掃除道具による、前代未聞の玄関掃除(バトル(?))をお楽しみください!

「こ、これを……磨けというのか? 我々、王国特使に……」


 特使リーダーのカイルは、渡されたデッキブラシを握りしめ、あまりの重圧に膝をつきそうになっていた。

 見た目はただの掃除道具だが、手に伝わる拍動は、彼らが今まで見てきたどの聖剣よりも力強く、荒々しい。


「何してる。その『汚れ』、放置すると床にシミができるんだ。早くしろ」


 フェイトの催促に、カイルは半ば自棄やけになってブラシを床に叩きつけた。

 その瞬間、ブラシの先端から『極光オーロラ』のような浄化の波動が放たれた。


「ぎゃあああっ!?」


 玄関先にこびりついていたスライムの粘液――深層のそれは、本来なら強力な酸として鉄すら溶かすのだが――が、光に触れた瞬間に清らかな『聖水』へと浄化され、さらに廊下の隅々までピカピカに磨き上げられていく。


「な、なんだこの威力は……! ブラシを一振りしただけで、私の魔力が全回復し、さらには長年悩んでいた腰痛まで治ってしまったぞ!」

「リーダー! こっちを見てください! 私のブラシは、振るたびに周囲の空間の『穢れ』を消滅させています! これ一本あれば、魔王軍を一人で壊滅させられるのでは……!?」


 特使たちは、いつの間にか交渉のことなど忘れ、一心不乱に床を磨き始めていた。

 これほどまでに純粋で、心地よい力。それを「掃除」という行為で体感できる喜び。彼らはフェイトの言う『片付けの真髄』に、魂レベルで触れ始めていたのだ。


「……フェイト様。彼ら、なんだか楽しそうですね」

「掃除は心を洗うからな。……さて、床が綺麗になったところで、ようやくゴミ分別の話ができる」


 フェイトがパチンと指を鳴らすと、特使たちが磨き上げた床から、黄金のテーブルと椅子が【再構築】されて出現した。


「座れ。お前たちの持ち込んだ『国からの要望』という名の不燃ゴミ、どれから処分いてほしい?」


 椅子に深く腰掛けたフェイトは、足を組み、特使たちを見下ろした。

 インナー姿でデッキブラシを抱えた特使たちは、もはや彼に逆らう気概など微塵も残っていなかった。


「は、はい……。まずは、フェイト殿を『国家守護魔導師』としてお迎えしたいという、王家からの正式な要請についてですが……」


「却下だ。そんな肩書き、掃除の時に服が汚れて邪魔になるだけだろ」


 フェイトの即答に、カイルは「ですよね」と、妙に納得したような顔で頷くのだった。

第15話をお読みいただきありがとうございました!

エリート特使たちがインナー姿で一心不乱に床を磨く光景……シュールですが、彼らもまたフェイトの規格外な力に魅了され始めています。

国家の威信をかけた勧誘すら、フェイトにとっては「掃除の邪魔」でしかありません。

果たして特使たちは、このまま「お掃除担当」として定着してしまうのか。


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