第14話:ゴミの山にも三分の理?
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第14話では、国家の威信をかけた特使たちが、フェイトの手によって「ただの掃除員」へとジョブチェンジさせられます。
国宝の鎧すら「床を傷つけるゴミ」扱い。
フェイト流の「おもてなし(物理)」に戸惑う特使たちと、すっかりそのノリに馴染んでいる聖女様のコンビネーションをお楽しみください!
特使のリーダー、カイルは冷や汗を流しながら、目の前の「元・荷物持ち」を見上げた。
彼が差し出した親書は、今やフェイトの手の中でサラサラとした白い砂へと姿を変えている。
「あ、あの……フェイト殿。今のは、我が国の国王陛下が自ら署名された、最高位の親書なのですが……」
「王様? 知らんな。俺にとっては、自分の都合しか書いてない『未分別の紙クズ』と同じだ」
フェイトはハタキを肩に担ぎ、冷めた目で彼らを見据えた。
「お前ら、さっきから見てれば、その装備……。無理に魔力を詰め込みすぎて、金属疲労を起こしてるぞ。そんな『壊れかけのゴミ』を持ち込まれたら、床が傷つく。今すぐ脱げ」
「なっ……!? これは国宝のミスリル・アーマーだぞ! 脱げるわけが――」
カイルが言い切るより早く、フェイトが指をパチンと鳴らした。
【概念分解】。
瞬間、特使たちの重厚な鎧が、カチャリという音と共にバラバラのパーツに解体され、宙に浮いた。
特使たちは全員、インナーウェア一枚の心許ない姿で廊下に晒される。
「ひっ!? な、何をした!?」
「あそこに、ちょうどいい『リサイクルBOX(黒鋼の巨龍の胃袋を加工した箱)』がある。そこに入れておけ。後で『使えるゴミ』に作り直してやる」
フェイトは浮遊する鎧のパーツを、ゴミ箱へポイポイと放り込んでいく。
国宝が、まるでお菓子の空き箱のように扱われていた。
「フェイト様。そんなボロを再利用しなくても、あちらに余っている『魔王の角』を削って新しいのを作ってあげればよろしいのでは?」
エルシアが、まるで「古い新聞紙はあっちよ」と言うような気軽さで提案する。
特使たちは、その会話の内容に、もはや意識が遠のきそうになっていた。
「いや、エルシア。こいつらは自分たちが持ち込んだゴミの価値も分かってないんだ。まずは『片付け』の基本から学んでもらわないとな」
フェイトは特使たちの手元に、それぞれ一本ずつの「デッキブラシ」を【再構築】して出現させた。
ただのブラシではない。深層の『浄化の鉱石』と『霊鳥の羽根』を合成した、一本で一軍を殲滅できるほどの魔力を秘めた「掃除道具」だ。
「特使だか何だか知らないが、俺の家に入りたければ、まずは玄関前のスライムの粘液を掃除しろ。それが終わるまで、交渉は聞かない」
世界最高の外交官たちが、人生で初めて「雑巾がけ」ならぬ「ダンジョン清掃」を命じられた瞬間であった。
第14話をお読みいただきありがとうございました!
国宝をゴミ箱へポイし、特使にデッキブラシを持たせるフェイト。彼にとって権力や地位は、分別の邪魔になるだけの不純物でしかないようです。
さて、伝説の素材で作られたブラシを渡された特使たちは、無事に玄関を磨き上げることができるのでしょうか……。
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