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第10話:ゴミ捨て場の錬金術師

お読みいただきありがとうございます!

第10話では、フェイトが作った「ゴミ出しルート」が地上に大混乱(?)をもたらします。

フェイトにとっては不要な端材でも、地上では伝説級の素材。

それに群がる元パーティの面々ですが、フェイトのスキルはそんなに甘いものではありませんでした。

「ざまぁ」の続きと、フェイトのさらなる「やりすぎ工作」をお楽しみください!

地上、冒険者ギルド『栄光の盾』専用のゴミ捨て場。

 空から降ってきた「何か」の下敷きになったヴォルグたちは、呻き声を上げながら這い出した。


「痛え……っ。おい、なんだよ急に! 空から瓦礫が降ってきやがったぞ!」

「ちょっとヴォルグ、これを見て! 瓦礫なんかじゃないわよ、これ……」


 リンダが震える指で示したのは、自分の膝元に転がっていた『黒い鉱石』だった。

 一見するとただの燃えカスだが、彼女が魔力感知を行うと、測定不能なほどの高密度エネルギーが溢れ出していた。


「これ、『虚無の結晶』じゃない……!? 国に一つあるかないかの超希少素材よ! なんでこんな所に……」

「何だと!? じゃあ、こっちのボロボロの布は……聖属性が付与された『天界の糸』か!? 伝説の職人が一生かけて数センチ織れるかどうかって代物だぞ!」


 フェイトにとっては「余った端材」や「分解済みの不要物」に過ぎないものが、地上では一国の予算を揺るがす至宝だった。

 ヴォルグの目が、卑屈な野心でぎらついた。


「ハ、ハハハ! そうか、あいつ……フェイトの野郎、あの場所で手に入れたお宝を持て余して捨てやがったんだな! バカな奴だ、これを売れば俺たちはSランクどころか、貴族にだってなれるぞ!」


 彼らは狂喜乱舞し、フェイトが「捨てた」ゴミを必死に袋に詰め込み始めた。

 だが、彼らは致命的なことを見落としていた。

 フェイトが捨てたのは、お宝ではない。お宝から「価値ある概念」を引き抜いた後の、文字通りの『カス』なのだ。


 一方、ダンジョン最深部の離宮。

 フェイトは新しい家具の構築に精を出していた。


「よし、この『次元の隙間』から拾った木材を分解して……『自動で中身が冷える冷蔵庫』の完成だ」

「フェイト様、それを作るために『氷の精霊王の核』を冷媒として分解・組み込みましたよね? 精霊界が凍りついていないか心配なのですが……」


 エルシアの心配を余所に、フェイトは満足げに冷蔵庫へ手を置いた。


「大丈夫だろ。それよりエルシア、さっきゴミ出ししたルートに『逆流防止弁』をつけるのを忘れてた。もし向こうから何か入ってきたら面倒だしな」


 フェイトがパチンと指を鳴らす。

 その瞬間、ヴォルグたちが必死にかき集めていた至宝ゴミに、ある「変化」が起きた。


 地上では、ヴォルグが「これぞ最強の剣の素材だ!」と自慢げに掲げた黒い鉱石が、急激に質量を失い始めていた。

 フェイトが概念を完全に固定しなかったため、素材が『ただの炭』へと分解還元され始めたのだ。


「え……? あ、あれ? 消えていく……俺の金が、俺の栄光がぁ!!」


 ゴミを拾って成り上がろうとした者たちと、ゴミを分解して神の領域を歩む男。

 その差は、もはや埋めようのないほどに開ききっていた。


「……さて。冷蔵庫もできたし、次はエルシアのために『絶対に汚れない洗濯機』でも作るとするか」


 フェイトの「趣味のゴミ拾い」は、今日も平和に世界を書き換えていく。

第10話をお読みいただきありがとうございました!

一度は至宝を手にしたと喜んだヴォルグたちでしたが、フェイトが概念の固定を解いた瞬間にただの炭へ……。

一方、フェイトは精霊王の核を冷蔵庫の部品にするという、相変わらずの神をも恐れぬ所業に励んでいます。

聖女様の胃痛はいつ治まるのでしょうか。


面白いと思っていただけたら、ぜひブックマークや【☆☆☆☆☆】の評価で応援をお願いします!

次回、フェイトの作った「洗濯機」が、またしても常識を破壊します。

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