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学園に着くとやはり好奇の目に晒された。当たり前だ。なんせお姫様抱っこだし、私もスレイブ家という魔法の名門の名を背負いながら最下位にいる変わった生徒だし、アルだって……。

私、アルの家名知らないや。

みんなは知ってるって顔で、だからこそ驚いているんだろうな。なんだろう、何かがもやもやして胸の中を渦巻く。


私たちは職員室のメル先生のところに行って限りなく薄い色の魔石を渡した。二人で話し合って三つ首ドラゴンのものは止めておこうということになった。


「これなの?あなたたちが選んだものは」


問い詰められても二人で、そうだと肯定する。さすがに先生は見透かしているわね。

ちなみに横抱きからは職員室の前で解放してもらえた。


「今は魔法使いです。剣では駄目なのです。私は大切なものを守るためにここに魔法を学びに来ている身です」

「俺も剣士です。それ以外は俺の力ではありません。それを忘れてしまってはいつまでも成長することはできません」

「そう……。それがあなたたちの選んだものなら私は口出しする立場にはないわね。ではこの魔石を受理しましょう」


メル先生は机の中から紙を一枚とりだし、情報をそこに書き込むと石に張り付け大きな箱に閉まった。


「生徒を救助したことについては加点します。ですが、普通なら危ないところだったのですから今後は気をつけてください」

「「はい」」

思いがけず加点をもらえ喜んだ。それから、「学生が戦うには危険すぎる魔物が紛れ込んでいたのは、学園側の不手際です」と、丁重に謝罪を頂き、職員室を出たところで、再び横抱きにされた。

まだやるの?

ものすごーく恥ずかしいのですけど!?




「失礼します。治癒師はいらっしゃいますか?」


大丈夫だと断ったのに結局保健室まで連れてこられてしまった。


「いないようだな」


いないのに勝手に入っていく。中はベッドがたくさん並んでいる。こんなにいるのかってくらいだけど、実習や実技で怪我人はよく出る。

そしてアルはそのうちの一つに私を横たえた。


「午後は座学だし寝るといい」

「座学も大事だよ。ただでさえ実技がよろしくない成績なのだから、これ以上成績落とすわけにはいかないわ」

「俺が教えてやるから」

「それなら……うーん」


アルの教え方上手いんだよね。分からないとこも分かるくらいに。ノートも取り方が上手いのか写すと頭に入るし。


「お前が寝ないなら俺もここから動かずに授業行かない。一時間くらい出なくても問題ない」

「えーそれはいけないわ。あなたは受けないと。私のせいで授業行かないとかいけないことよ」


この意地悪キャラモードというか心配症モードはいつ治るのかな。素っ気ないのも寂しいけどこれはこれで気まずい。

まぁ、私が無謀なことしたせいだからなー。


「寝ればいいんでしょ!」


あとで抜け出してやる。授業に行ってやる。

貧血はまだ酷いけど授業なんて座るだけだ。腰が抜けたのもおそらく治ったし。

目を閉じたたふりをしていると、瞼にそっと手があてられる。

暖かくて気持ちいい。落ち着く。

この手にいつかどこかで触れたことがあったような。


「おやすみ、リン。いい夢を」


これは魔法だわ。気づくのが遅くて睡眠魔法をストレートにくらう。

きっと寝て起きたらアルのキャラも元に戻るよね。

そしたらいつも通りの素っ気ないクールなアルになる。それはやっぱりちょっと寂しいけれど。

抜け出して授業に出る決意も虚しく、私は夢に落ちていった。





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