何気ないけど、心に残ったこと
先日、赤ちゃんの予防接種に行ってきた。
自分の子の予防接種は、自分の心臓に、ラップの芯を貫通させたかのような痛みを受ける。
できることなら変わりたいが、私が受けても意味がない。きっと、そう思っているお母さん達も多いのではないだろうか。
お医者さんの前で、ニコニコしている我が子。
それから、何の躊躇いもなくお医者さんは、両腕に刺し、我が子は真っ赤になっていた。これぞ、赤ちゃん。あんなにケラケラ笑っていたのに、急に痛いことをされて、まさに、天国と地獄だ。
その帰り、予防接種を頑張ったご褒美に、私はケーキ屋さんに寄った。
私は何も頑張っていない、頑張ったのは赤ちゃんだ。何を履き違えているのか、一人でツッコミを入れていた。
私がこのケーキを食べることで幸せになり、おいしい母乳が出ると信じて、無理やり、赤ちゃんとこじつけた。
そして、どこのケーキが食べたいか考えたら、あそこのパンプキンケーキが食べたいと思った。
そのお店は未だ、行ったことがないのだが、口コミでパンプキンケーキがおいしいと聞いていたので、行ってみたかった。
開けっぱなしになった入り口、店内で竹刀を振り翳している白髪のおじいさんが居た。
「パンプキンケーキ1つ下さい」
「かぼちゃな」
「かぼちゃのケーキ1つ下さい」
「かぼちゃのケーキ7つ?」
「1つ下さい」
「あと、ガナッシュを1つ」
「ガナッシュ1つ」
「かぼちゃのケーキとガナッシュを1つずつ下さい」
「ガナッシュ1つな」
「かぼちゃのケーキとガナッシュを下さい」
「7つ?」
「これとこれを1つずつ下さい」
「750円だ」
永遠に続くかと思った会話が終わった。
私はもしかして、自分が思っていることと、実際に話していることが違うのかもしれないと、思っていた。だから、相手にこんなにも伝わらないのだ。
この数秒の間に、私は病気になってしまったのか、そこまで思っていた。
でも、何とか買えた。良かった。
多分店長さんであろう方にお手間をかけさせたが、どうしても食べたかったケーキが買えた。しかも、ガナッシュというさらにおいしそうなケーキも買えた。
私は嬉しくて、ドキドキしながら、車へ戻って、帰った。
それからは、今の所、今日のような出来事はなく、過ごしている。
暑い日が続いている。皆さんも、お身体大事にしてお過ごして下さい。