表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネイル男子、プロを目指す!  作者: クロクマせんぱい
11/24

第11話:2級試験に向けた最終調整と接客練習

文化祭の熱気が冷めやらぬまま、颯太たちは次なる目標——2級試験に向けた本格的な準備を始めていた。


「本番を想定して、接客も練習しよか」


瑞希がそう提案すると、菜奈が笑顔で手を挙げた。「じゃあ、私がお客さん役やります!」


彼女は椅子を引きながら、少しおどけた表情で「ちゃんと優しくしてや?」と冗談めかして言う。

瑞希も「ほな、颯太先生の腕前を見せてもらおか」と茶化しながらニヤリと笑う。


「お願いします……」


颯太は少し緊張しながら、テーブルに向かい合って座る。

実際の試験ではモデルの手を借りて施術しながら、適切な接客を行う必要がある。


「それでは、お客様。どのデザインにいたしましょうか?」


ぎこちない敬語を口にした瞬間、瑞希が吹き出した。


「なんかロボットみたいやな」


「えっ……そ、そうか?」


「めっちゃ固いで!もっとリラックスして話さな、お客さんも緊張するやん」


菜奈もクスクス笑いながら、「接客って大事やけど、颯太くんがやるとなんかおもろいな」と肩をすくめる。


「いや、真剣にやってんねんけど……」


「ほな、もう一回や!」


瑞希が仕切り直し、何度も接客練習を繰り返すことになった。


「お、お客様。こちらのデザインでよろしいでしょうか……?」


「またカタい!」


瑞希に肩をポンと叩かれ、ビクッと肩をすくめてしまう颯太。頬が熱くなり、手のひらにじんわりと汗が滲む。


(敬語って、こんなに難しいんか……!?それに、なんか急に距離が近ない!?)


余計に動揺して、頭が真っ白になりそうだった。


何度もやり直しながら、少しずつ自然な対応を身につけていく。


そして、実技の模擬試験も繰り返し行い、最終調整に入る。


颯太は施術の流れを確認しながら、道具を並べ、モデル役の菜奈の手を取った。そのまま作業に入ろうとした瞬間——。


「ちょ、颯太!施術前の手指消毒忘れてるやん!」


瑞希の指摘に、颯太はハッとして手を止めた。


「やばっ……清潔操作減点や……!」


「本番でこれやったら落ちるで?」


「気をつける……!」


細かいミスを一つずつ修正しながら、試験への準備を進めていった。


「試験まであと少しやな……」


颯太は深呼吸し、気を引き締めた。


「やるしかない!」




次回、第12話『2級試験本番と新たな目標』


ついに迎えた2級試験当日。


緊張感漂う試験会場で、颯太はこれまでの練習の成果を発揮できるのか?


「絶対合格する……!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ