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ネイル男子、プロを目指す!  作者: クロクマせんぱい
10/24

第10話:文化祭本番!予想外のトラブル発生

文化祭当日、朝から校内は活気に満ちていた。模擬店や展示が並ぶ中、颯太たちのネイルブースも準備を整え、来場者を迎える。


「お、結構人来てるやん!」


瑞希が受付から周囲を見渡し、目を輝かせながら言った。

興奮した様子で軽く手を叩きながら、「これは予想以上に盛り上がるかもな!」と笑う。

ネイル体験が珍しいのか、興味を示す生徒や先生が次々とブースを訪れる。


最初は順調だった。しかし、思った以上の来場者に、颯太の施術が追いつかなくなってきた。


「次、どのデザインがええですか?」


「このシンプルなやつでお願いします!」


「了解です!」


手際よくネイルチップを貼り、甘皮処理をしながらも、待っている人の列がじわじわと伸びていく。


「時間が足りへん……!」


焦りが募る颯太に、瑞希が声をかけた。


「施術と接客、分けよ!私がデザインの相談と受付やるから、颯太は施術に集中して!」


「助かる……!頼む!」


瑞希が列の整理と受付を引き受けたことで、少しずつ流れがスムーズになった。しかし、ここで予想外の来訪者が現れる。


「颯太くん、また来たで~!」


聞き覚えのある声に振り向くと、そこには近所の商店街のおばちゃんが立っていた。


「こないだのイベント以来、ネイルが気に入ってなぁ。今日は文化祭やし、派手~なやつお願いするわ!」


「派手~なやつって……?」


「せやなぁ、金色にキラキラつけて、虎の柄とか入れてくれる?」


「えっ!?文化祭やのに、そんなガチなデザインっすか!?」


虎柄にキラキラのデザインなんて、文化祭の簡単なネイルブースでは到底想定していなかった。


(マジか……。こんな本格的なアート、今すぐできるんか……?)


軽く手のひらに汗が滲むのを感じながら、おばちゃんの満面の笑みに圧倒される。


「できるやろ?」


おばちゃんのプレッシャーに、颯太は苦笑しながら「こ、今回はシンプルなデザイン中心なんで……!」と何とか説得を試みた。


何とか説得し、落ち着いたデザインにしてもらうことで納得してもらえたが、予想外の注文に颯太は冷や汗をかいた。


その後も次々とお客さんが訪れる中、菜奈が自分の展示の合間を縫って応援に来てくれた。


「お疲れさまです!ちょっとだけ手伝えます!」


「助かる……!」


さらに、菜奈の大阪の友達がブースを訪れ、ネイルチップを購入していった。


「おぉ、意外と人気やな!」


大忙しのまま、文化祭の時間はあっという間に過ぎていった。


そして、イベントが終わり、後片付けをしながら颯太は息をついた。


「……もっと上手くならなあかんな」


瑞希と菜奈が顔を見合わせ、笑う。


「せやな。でも、今日はめっちゃええ経験になったんちゃう?」


後片付けを終えた颯太は、自分の指先をじっと見つめた。文化祭の忙しさの中で、うまくできた施術もあれば、まだまだ課題が残るものもあった。


(もっと、…)


ふっと息を吐き、改めて決意を固める。


「次は、もっとレベルアップせなな……!」


瑞希と菜奈がそんな颯太を見て笑い、「その意気や!」と肩を叩いた。




次回、第11話『2級試験に向けた最終調整と接客練習』


文化祭を終え、一息つく間もなく次の挑戦が待っていた。


「2級試験まで、もう時間ないで?」



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