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バトル未来!

作者: アルケイン

This is 練習. OK?



 高層建築物(ビル)立ち並ぶ都市。


 曰く、“地球の第二の輝き”。

 曰く、“文明の澱み”。


 その都市の名は『シン・トーキョー』。

 その名称が示すように、この街は極東にある島国の都心を改修したものだった。

 空を覆う虹のドームが特徴で空は『偽』に覆われている。青い光を常に掲示し、時間と共に闇と星を映し出す。

 他の街や国とは比べ物にならない超常的なルールを所有する。


 今日もこの街は()()()()


 百貨店(デパート)だろうか?大型商店街(ショッピングモール)だろうか?

 細かい名前などどちらでも良いが、商業施設の西に男が立っていた。風吹く屋上で男はなにかを待ち構える。

 男の手には真っ黒なアタッシュケースが握られていた。

 ソレは黒曜石のように輝く金属の鞄。

 

ーーーー来るか。


 少年の姿を形取ったモノは()()の接近を感知する。

 

 近づくのは赤色の鎌。または蜘蛛の足とでも呼べそうな赤黒い塊がビルを貫く。

 (うごめ)く鎌を確認すると男はビルから飛び降りた。

 光灯る道路を背景とし男は無重力を彷徨う。そして赤色の塊の根本、発生源を見定めた。

 

 蜘蛛の足は血のように流れて続ける。

 流体に近く、固体に近く。

 そんな物質を操るのはなんたる兵器か。

 戦車(タンク)か?航空機(ヒコウキ)か?

 

 

 否。

 そこに立っていたのは一人の老人だった。

 厳密には老人というほど年老いておらず若くもなく、

 ただ人間と形容できる者が彼に視線を返す。


「お前、名前は?」


 男は背に鎌を携える老人へ名前を訊ねる。

 この言葉を吐かせたのは純粋な好奇心。


「ふむ……名乗りなど面倒だし、嫌いだがここは“教授(ジェームズ)”とでも」


「ジェームズぅ……? 明らかにお前ココ(極東)出身だろ。なんだその名前」

 

 単に名前が顔と会っていないという指摘。

 だがその言葉が教授の心のスイッチを起動(オン)する。


「そういう貴方はもしや“第二のII(ダブルセカンド)”ではないのですか?」


「そのあだ名、(ふる)いぞ。今は“プロジェクト22(セカンドコード)”って呼ばれている」


 彼らにとってはただの談笑。

 だが客観的に見れば壮絶な殺し合い。

 それは一手一手に確実な殺意を込める命の奪い合い。

 

 教授は背中に搭載されている《赤》を使う。

 蜘蛛の足を模した槍はどこまでも伸び、全てを刈る。

 

ーーーー脳、心臓、肺、頸。


 現在の既定生物は臓物の一部を破壊されると基本的には死亡する。

 故に教授は常にそこを狙う。

 人体の破壊こそが死に近いのだから。


 一方相対する男、セカンドはそこら辺で拾った銃で《赤》を撃ち落とそうとする。

 その銃の値段まさかの二百ペルカ。

 下手すると彼等が戦っている施設の自動販売機。そこで売られる『無色透明な液体』より安いだろう。

 だが彼の本命は未だ左手に持っている鞄にある。

 

「さっさと消えなさい。セカンドさん」


 《赤》は蜘蛛を模した機械。だが、その本質は全く異なる物だ。

 《赤》の先端が切り替わる。

 抉るように、浮かび上がるように。

 血の色をした槍の先はL()()()()()()()へと変貌する。

 つまりは“機関銃”。


 (はし)発火炎(マズルフラッシュ)。夜の街を銃の閃光が灯す。

 教授の背中に取り付けている《赤》から乱射される(タマ)

 銃弾が空を駆け、ビルの窓を砕いてゆく。

 だが、セカンドはアタッシュケースで弾を防ぐ。


ーー弾ける金属がぶつかる音。


「良いカバン(たて)だね。どこの製品?」


「言うわけねーだろ。バカが」


 セカンドは嘲笑うかのように返事をするとケースの持ち手を引く。機械の一部が抜けるような起動するような音が鳴る。

 するとたちまち、書類カバン(アタッシュケース)は姿を変える。

 展き、廻り、組み変わる。カバンは役割を塗り替えた。

 電気が走り回って初めてそのカタチを取り出す。

 それは肩に掛けるほど巨大な荷電粒子砲(レールガン)

 緑の光をかき混ぜ、先程まで鞄であったものは発車体制に入る。


「粒子用電荷回路、安定」


「発射口、安定。固定を開始」


 セカンドは一つ一つの動作を確かめるように機械を動かす。


「地球上の磁場影響を破棄。荷電粒子収束」


 二つに分かれた銃口が緑煌を喰らい続ける。

 その先にいる対象は勿論、教授(ジェームズ)だった。


「…………少しだけ、マズいね」


 しかし、時は遅く粒子は発射される。


「……発砲(ファイア)


 短く呟くと荷電粒子が空を掛ける。音の速さである音速の壁を軽く破り、光の速さである光速よりも速く。

 亜光速で飛び出したビームが教授を呑みこんだ。

 咄嗟に守ろうと《赤》を広げようとするが間に合わず、彼の身体は消し飛ぶ。


「状況終了」


 セカンドは一方的な結論を叩きつけ、その場から立ち去った。

 これこそがこの街の()()である。


 



ーーーー何処か。

 地下の墓場(カタコンベ)に近しい暗き場所。

 そこには無数のモニターが置かれており、培養液に浸された二つのチップがあった。


 そして、一方の培養液をなぞるようにガラスに触れる男がいた。

 なにかを求めるように、願うように。優しい瞳で機械を眺める。

 男のコードネームは教授(ジェームズ)

 彼が死亡したというのは事実だが、同時に真実ではない。


「やはり…………プロトタイプの運用は優れた結果では無かったか」


 独り言を呟きながら男は歩き出した。



                     ーーーー“未来”は既に動き出す

 


 


 



 



 

 


そのうちちゃんと書きたいですね〜

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