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学校1ブスの山崎さんが「ウチは美少女だ!」って暴れ始めた……  作者: 伊矢祖レナ
第3章 ミスコン1次審査は唐揚げの夢を見るか
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第25話 美少女JKモデル、ガチで一次審査にケンカ売る②


「嘘っしょ嘘っしょ嘘っしょ……⁉︎」


 小声で呟きながら、近場のトイレの個室に飛び込む。

 腕を離すと、まるで体操着から厚い鉄板がバリうるさい音を立ててトイレの床に落ちた。

 呆然としたあと、上を脱いで秘密兵器の状態を確認する。


 右カップの下を触ると、生地がパックリと破れてた。重さに耐えきれなかったのだ。



 よしひと、アイツ……もっと丈夫なブラ買えよ……!



 もう片乳の鉄板はまだカップのポケットのなかに残ってたけど、同じ道を辿るのも時間の問題だと思った。

 これで、体重は40台に逆戻り。



 終わった……ウチのミスコン……ブスどもをぶっ潰す機会が……



 ウチは便器の蓋に座り込む。



「や、山崎さん……? 大丈夫……?」



 紗凪の心配げな声が、扉越しからきこえてくる。

 ウチは告げた。



「マジありえない……破れたんだけど……ブラ……」


「えぇ⁉︎ な、なんとか直せたりは……」


「いやムリっしょ。完全に下裂けちゃってるし。だからもう終わり。はい、りりあちゃん、一次審査落ちでーす」


「そんな……最後まで考えればなにか……」


「んなの意味ないって」



 イライラしながら、レバーを捻って無意味に水を流す。


 この秘密兵器が壊れた今、りりあは規定体重を超えることができない。

 果てしない虚しさが襲ってきた。


 こうなるなら、なんのためにデブになったのか……

 悲しくて悔しくて、どうしようもない。


 もはやこうなると無事なほうもダル重いだけなのでパッドポケットから外そうとする。

 でも、磁石がやけに強力で外しにくかった。



 磁石までウチをバカにするじゃん……!



 ウチは怒りに任せてひっぺがし、個室の扉を開けて、鉄板二枚と連結した磁石四つを紗凪に押し付ける。



「悪いけど、これ持ってて」


「え、山崎さん……?」


「ちょっと辞退してくるわ」



 顔も見ずに手を振って、ウチは出口へダラダラと向かう。

 あー、ダル……これでまたネタにされんだろ? マジでウザいわ。


 明日を考えるだけで気が重くなって、ウチは舌打ちする。


 つか、なんだよこの世界。なんもりりあの思い通りにならないし。マジでここで生きてる価値ない。

 ……死のうかな。うん、そうだよ。死んだら戻れっかもしれないし? そうだそうだ、最初からそうすりゃよかったんだ。んじゃ、バニラ探さないとなぁ。でもまたあの痛いのヤダだしなぁ……


 ウチができるだけ苦しくない死に方を考えてた、そのとき――



「山崎さん……!」



 背後から急に腕を引っ張られ、もう一度トイレに戻された。

 振り向くと、鉄板を抱えた紗凪がウチの手を強く握ってる。


 ……初めて、紗凪に本気でイラッとした。



「しつこいなアンタも! 考えても無駄だっつってんでしょ! そんなにひとりで出たくないなら辞退したらいいじゃん!」


「そうじゃなくて!」



 珍しく真正面から叫び返してくる紗凪は、水晶みたいな潤んだ瞳でウチを真剣に見つめて言った。



「方法を思いついたの……かなり、危険だけど……」



 彼女が白い手を開いて見せたのは、さっきりりあが渡した磁石の束だった。







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