3話
3話
安部の名声の自宅は少々慌ただしいかった。それと言うのも山寺への祈祷祭りがあって数日間の予定が入っていた。この山寺の直ぐそばに「益山旅館」と、言う廃旅館があってその呪いを解きに行くのだと言う。旅館の天井には黒い長い髪の毛がビッシリと張り付くのが深夜だと言うので総勢30人での出発であった。そんな中でまたしても一人だけ心躍らせる人物が居て安部の名声に一つの不安を与えて居た。
今回の荒業は普段の子供達に対する所謂、唱えではなく邪悪な魔物を退治すると言う任を背負っていたことで安部の名声さえも緊迫した状態であった。総勢30人の霊能者が一堂に集まる異例中の荒業は正に命がけであった。そしてその行動は報道番組でも放映されると言う情報に笑子が黙っているはずはなかった。そしてとある寺院に広がる30人の霊能者がぶっせつ 摩訶般若波羅蜜多心経まかはんにゃはらみたしんぎょう
観自在菩薩かんじーざいぼーさー 行深般若波羅蜜多時ぎょうじんはんにゃーはーらーみーたーじー
照見五蘊皆空しょうけんごーおんかいくう 度一切苦厄どいっさいくーやく
舎利子しゃーりーしー 色不異空しきふーいーくう 空不異色くうふーいーしき
色即是空しきそくぜーくう 空即是色くうそくぜーしき受想行識じゅそうぎょうしき 亦復如是やくぶーにょーぜー
舎利子しゃーりーしー 是諸法空相ぜーしょーほうくうそう
不生不滅ふーしょうふーめつ 不垢不浄ふーくーふーじょう 不増不減ふーぞーふーげん 是故空中ぜーこーくうちゅう
無色無受想行識むーしきむーじゅーそうぎょうしき 無眼耳鼻舌身意むーげんにーびーぜっしんにー 無色声香味触法むーしきしょうこうみーそくほう 無眼界むーげんかい乃至ないしー無意識界むーいーしきかい
無無明亦無無明尽むーむーみょうやくむーむーみょうじん乃至ないしー無老死むーろうしー 亦無老死尽やくむーろうしーじん
無苦集滅道むーくーしゅうめつどう 無智亦無得むーちーやくむーとく
以無所得故いーむーしょとくこー 菩提薩埵ぼーだいさったー
依般若波羅蜜多故えーはんにゃはーらーみーたーこー
心無罣礙しんむーけいげ 無罣礙故むーけいげーこー 無有恐怖むーうーくーふー
遠離一切おんりーいっさい 顛倒夢想てんどうむーそう
究竟涅槃くーぎょうねーはん 三世諸仏さんぜーしょぶつ
依般若波羅蜜多故えーはんにゃはーらーみーたーこー
得阿耨多羅とくあーのくたーらー三藐さんみゃく三菩提さんぼーだい
故知般若波羅蜜多こーちーはんにゃはーらーみーたー
是大神呪ぜーだいじんしゅー 是大明呪ぜーだいみょうしゅー 是無上呪ぜーむーじょうしゅー 是無等等呪ぜーむーとうどうしゅー
能除一切苦のうじょいっさいくー 真実不虚しんじつふーこー
故説般若波羅蜜多呪こーせつはんにゃはーらーみーたーしゅー 即説呪曰そくせつしゅーわつ
羯諦ぎゃーてい 羯諦ぎゃーてい 波羅羯諦はーらーぎゃーてい 波羅僧羯諦はらそうぎゃーていと唱え終えると、寺院は静まり返った。
そんな時に寺院の近くに居た佐々木笑子は緊張して中から出て来る安部の名声を待ちわびた。