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夏祭りの夜道に金魚は見ていた  作者: 駒城亜樹
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ゴート

暑さがまだまだ残る9月半ば。


3人目の犠牲者からどう言ったわけか

殺人は全く起きなくなった。

有り難いことにテスト期間に差し掛かった僕らにはとっては助かるのだがモヤモヤもする。


苦手な科目のテスト範囲とにらめっこしながら

僕は犯人像を推理してみる。


犠牲者は3人とも可愛い容姿で

目がぱっちり、唇はぷるぷるしている。

彼氏あり、成績上位、クラスで人気


非の打ち所がない彼女達が殺されるとしたら?

怨恨、ストーカー、復讐


女性の首を絞めるぐらい力が強いのなら

単純明快で犯人は男性と推理するならラクなんだろうが。


非力な女の子が相手なら同姓でも可能だ。

誰でも犯行可能になってしまう


ダメだー!推理力がない僕だと

誰も彼も犯人になってしまう


頭をぐちゃぐちゃに掻きながら唸ってると

「ちょっと、ちょっと?そんなに難しい問題でもテスト範囲にあるの?」と声をかけられ現実に引き戻された。


顔を上げると学級委員の西宮が目の前にいた。

いつの間にかみんなは帰っていたらしい

だいぶ長い時間集中していたんだなと思っていると


西宮が若干ウキウキしている

頭の上に???が見えたのか彼女はやや早口に仕入れた情報を話し出した。


「共通点あったよ。彼女達は3人ともあるアプリに登録履歴があったわ」

彼女はスマホを取り出し見せてきた。


アプリ名は[天使の加護]天使の羽のエンブレム?みたいなものが使用され、中身は恋愛に関する悩みや占いやおまじない、カレカノ紹介つまり出会いの場まである。


その中に被害者3人のアカウント名

悩みをスクショしたものを西宮がコピーしてきていた。


3人とも恋人に関しては別れたがっていた事がわかった。悩みの相談相手はハンドルネーム[ゴート]

スケープゴート等に使われているあのゴートかな?


名前に何となく引っ掛かりながらも内容を見ると

相手はかなり良心的で彼女達はすっかり信頼し

あれこれと会話をやり取りしてる。


やり取りはそれぞれ殺害された日時まで続き

気付くと3人ともゴートと直接会う約束をするまでに至っていた。


日付は3人とも殺される1週間前にゴートに会うことになっていた。

つまり犯人はゴートなのか?


「やっぱりね。3人ともゴートってやつと繋がってたのね?」西宮も同意見らしい。


ゴートは何者なんだろう?

彼女達に会いたいと言わしてしまうぐらいの丁寧な対応。文章からもわかる人を惹き付ける話術。

この話術を僕も教えてほしいものだ。


そんなことをチラッと頭の片隅に追いやって

とりあえず今は、、、



勉強に専念しないとヤバイ!!!





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