まさかの即戦力
自己紹介が遅れたね?
僕は仲町航太クラスではあまり目立たない方の部類だ
さて、調査と言っても僕は単なる高校生
事件現場に入れるわけではない
ましてや刑事に知り合いはいないし
調査してると警察にバレれば学校に報告もいくだろうし親にまで話が行ってしまう
犯人像すら明確ではない段階で
敵討ちとかアホみたいに動けば、僕も命が危うくなる
慎重に動くには同級生の中で口が固く
情報をかき集められるのが絶対条件だ
青木?
ダメダメ!あいつは単なる野次馬根性丸出しだ
逆に目立ってしまうし危険に晒されかねない
うーーん
参ったな。協力してくれるほど、僕はクラスメイトとの交流が深いわけでもないしなー
と、放課後に一人教室で悩んでると
「まだ、いたんだ?どうしたの?」
ふいに声をかけられ我に返る
顔を上げると
クラスの学級委員の西宮葵がいた
彼女は成績は学年で上位で運動神経もある
「何?あの事件が気になるの?」
僕が書き込んでいたノートを見ている。
「あ、いや、そのー。まあ、、、あはは」
僕は思わず返事に困っていると彼女が
「調べない?一緒に。」と
僕は驚いた。あの事件を追ってるのがここにもいたことに。
「うえ?な、な、何で?」
動揺丸出しの僕に彼女は理由を告げてきた
最初の被害者の姉と西宮は
同じ部活の先輩と後輩だったと言うこと
あの日、妹が帰ってこないと彼女に連絡が来たこと。
そして、皮肉にも遺体を姉と一緒に発見してしまったと言う
「あの時の先輩の泣き顔を今まで私は見たこと無かった。あれから、先輩は食事もろくに取れてないし、あまり眠れてなくて。自宅に引きこもってしまったの。」
西宮も目に涙が浮かんでる。
相当悔しかったのか、時折目つきも鋭くなっていた。
僕もあの日のことを正直に話した。
恥だと思うがそれぐらい彼女が大好きだったこと
敵討ちのことや調査をしたいが協力者がいないことも。
黙って聞いていた彼女は涙を拭うと
不意にこう切り出した
「私が協力者になるよ。どうかな?」
「え?え?えーーーーー!」
僕は思わず立ち上がりながら後ずさった
西宮が?あの学年上位の学級委員が?
「いやいやいや!危ないよ!女子を危険に晒せないし。西宮も危ない目に遭わない保証は」
「いいえ!その心配はないわ!」
食い気味に彼女が言葉を被せてくる。
「周りに言ってないけど、私の両親探偵なのよ?」
ドヤッとした顔で告白してきた。
なんと!それは頼もしいし、即戦力じゃないかぁ!
相当、僕の顔が輝いて見えたのだろう。
彼女はニコニコと僕の手をがっちり掴み
「よし!決まりね?両親も彼女の親から依頼を丁度受けていたから、情報収集は任せて。絶対に犯人を捕まえましょう。」
こうして。
思わぬ形で僕は頼もしい仲間を得ることになったのだ。
クラスのカリスマ。目立つからあんまり派手に動かないように釘を差さねば(ーー;)