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夏祭りの夜道に金魚は見ていた  作者: 駒城亜樹
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解決 逮捕

斉藤は姓を変更させ、妻とは形だけの離婚をしたと言う。


奥さんは反対したが斉藤の復讐を止めることは不可能と分かると、斉藤と会うのを人目につかないようにしていたらしい。


だから僕らのマークから外れ、復讐を着々と進められたんだ。

僕は悔しくて拳を握る。西宮父がそんな僕の肩に手を置いてくれたから、怒りをずいぶん抑えられた。


まず斉藤がしたことは[娘の日記にあったイジメの首謀者をしぼること]だった。


教師の立場をフル活用し、5人まで絞り込んだと言う。

「愛花梨が死んだのにあいつらは彼氏を作り、明るい高校生活をしていた。本当ならそこに愛花梨がいても良かったのに。」


「金魚鉢は何故置いたんですか?あれにはどんな意味が?」


斉藤はこちらに顔を向ける。先程より冷たさは無くなっていたが、ゾッとする視線。

「あれは、娘を忘れるな!って言うメッセージだよ。娘は金魚が好きでね。鞄にも金魚の小さなぬいぐるみを付けていた。そのぬいぐるみが無くなったんだよ。」

彼は俯いて肩を震わせている。悲しみか怒りか既に僕らには感情は読み取れない。


「後で知ったんだ。引きちぎられ川に捨てられたと。ダサいし金魚だから川に返しなって。」

だから金魚鉢が置かれていたのか。ようやく納得した。


保護した彼女が震えてる。

「やっぱりそうだったんだ。金魚鉢が置かれていたし、あのふっくらした口と目が。あの娘を思わせて怖かった。ごめんなさい。ごめんなさい。」

泣きながら呟く。


「アプリはどうやって彼女達に入るように誘導したんですか?出会い系は18歳以上は無理だし。」

西宮母が質問する。


「あれは私が開発し、さりげなく噂を流したんだ。学生でも出会いが欲しいって子に向けたアプリが出来たってね。こう見えて昔はアプリ会社に知り合いがいてね。製作にも携わることもあったから。あいつらが彼氏と上手く行ってないのは、調べが付いてたから誘導は簡単だった。」

斉藤は得意気に話す。


「私は何も殺す気は初めはなかった。せめて愛花梨の墓に来て頭さえ下げてくれればと。でも、アプリを通して会うことになって気付いたんだ。」

斉藤が睨み付けてきた。


「こいつらは私の旧姓を聞いても、すぐに思い出さなかった!中には愛花梨の名前を出しても、自殺した弱虫と暴言を吐いたやつもいた。だから、だからお前も愛花梨の元に行って謝れ!謝れ!」

斉藤はそう言いながら、飛び掛かってきた。


が!西宮父は慌てずに斉藤の腕を捻り上げ

地面に押し付けた。

その直後にパトカーは到着。


彼の腕に手錠がかけられ、殺人容疑と殺人未遂で斉藤は逮捕された。


ようやく[連続金魚鉢殺人事件]に終止符は打たれたのだ。


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